PBeM
〜Dragon Pursurs〜
竜追い達の唄

旧サイーディア帝国
騎士王国シルヴァードの北部に位置する“旧き大陸の支配者”。
バーナード地方全土を包み込んだような戦火は二つ。
そのうちの一つが、シルヴァードとサイーディア帝国の戦であった。
戦の末、騎士王国シルヴァードが大陸の覇者となり、帝国は本拠地の都だけを残して縮小されたのである。

:旧帝国 商店街:
 戦に敗れて没落していった貴族たちが処分していった、高価な物品が多く市場に出回っている。
 また、城が焼け落ちたときに持ち出されたのか、皇帝由来の品も探すところを探せば見つかるようだ。

投稿(件名…旧帝国 商店街)
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店主

ルッカ<

 率直な応えを返すルッカに、にやりとしてみせる。
「あんたぁ、いい人だね。覚えとくよ。
 あたしは、ランドランっていうんだ。しばらくはここで店を開いてる。覚えといてくれ」
 かれの背中に向けて手を振って、商売に戻る。


ルッカ=ベニット

店主<

「はい、あ、俺『竜の角』って宿屋に泊まってます。もし何かあったら、そこを尋ねてもらえれば・・・」

ルッカがあげたのは、新市街の入り口近くにある宿屋の名前だった。
質素で華美に過ぎず、実用的な造りをした宿屋で、年配の熟達した冒険者たちの中で定評がある。


 頼みごと云々といった話は、商売人特有の社交辞令といったものかもしれなかったが、それでも馬鹿正直に泊まっている店場所まで説明してしまう。
「それじゃあ・・ありがとうございました。」
 軽く頭を下げて礼を言うと、店主に別れを告げて教えてもらった 宿場町の方へと歩き始める。


店主

ルッカ<

「ふうん、じゃあ、いくら積んでも譲ってくれそうにゃないねぇ。銀貨の五枚や六枚くらいなら出しても良かったんだけどね」
 残念そうにいいつつ、どこか微笑ましそうな表情をする。どうもこの人も犬が好きらしい。
「まあ、大事にしてやんなよ――あんたが冒険者だってんなら、仕事をしてもらうこともあるかもしれないね。そんときは、ま、よろしく頼むよ」


ルッカ=ベニット

店主<

 矢継ぎ早に喋り倒す店主に目を白黒させて立ち尽くしていたが、 「いい犬」という店主の言葉にふっと表情が緩まる。
「はい、オーサンって言います。あ・・・でも俺のモノ、とかじゃなくて、 子供の頃に親父が山でこいつを拾ってきて・・・それからずっと一緒で・・・兄弟みたいな感じなんです。」
 嬉しげに目を細めると、うずくまるオーサンの頭にそっと手を置く。


店主

ルッカ<

「なんだい、客じゃないのかい」
 軽く舌を鳴らす。
「もっとちゃきちゃき話しなよ、まったく、あたしは西の方から出てきたんだけどね、どうもこの国の人達は何だかしみったれていて困るよ。ああ、どっちかっていうとあんたは垢抜けないほうかもしれないがね」
 口にくわえていた煙管を離し、勢いよく煙を吐き出す。
「冒険者だとか荒くれ者だとかが集まる所なんてどこも同じじゃないのかね。この時間もそうなんだかは知らないが、酒場だろう。酒場。あっちの方に真っ直ぐ行きゃ、そういう店がたくさん並んでいるよ。今は静かなもんだよ。そりゃ夜になりゃあ賑やかだろうけど」
 と、ふとルッカの足元におとなしくしている犬に気がつく。
「ほう、こりゃあいい犬だ。あんたのかい?」


ルッカ=ベニット

店主<

「いや、俺、客じゃなくて・・・。
 実は仕事を貰える場所を探してるんですが・・・。この街で冒険者が集まる場所とか知ってたら・・」


GM

ルッカ<

「はいどうぞー!」
 ブリキの缶に詰めた煙草の葉――と一緒に煙管――を、道行く人道行く人に売り込んでいた店主が、景気よく返事をする。
「シルヴァード産かい、サノット煙草かい、何でも揃っておりますよー!」


ルッカ=ベニット

 ここはやはり自分の技術を生かせる・・・冒険者らしい仕事を探すのが正しい選択というものだろう。
  一軒の露店の前で足を止めると、盛んに売り込みの口上を挙げている店主へと話しかける。

店主<

「あの、すいません・・・」



GM

 旧帝都の町並みは古い空気を漂わせていて、昼間の街路に人の通りが多いというのに、どこか寂れた印象を与える。至る所に出店があり、食べ物や小物、日用雑貨などを販売している。
 ルッカが今いる場所からもう少し足を進めると宿場街にでて、食べ物処や、今は閉まっている酒場、それから竜追いギルドなどがある。
 更に進めばサイーディア新城にぶつかり、そこを越えると新市街の中心地があり、上流階級たちが過ごす場所にたどり着く。

 ルッカが仕事を探すなら、今いる場所で探すか、宿場街にでるべきだろう。

 たとえばルッカが普通の仕事を探したかったとしても、せいぜい荷物運びとか、人足とかのものしか見つからないだろう。歌を吟じることができるわけでもなく、手紙の代筆ができるわけでもない。
 かれができるもので、適当な稼ぎになるようなものとすれば、荒くれ者対象の酒場の用心棒とか、自らの技能を活かして山にでもこもって狩りをしてくるとか(獣の皮や肉、魔物の爪や牙というのは、これでまあまあ金になるものだ)、この辺りに用があるのでないのなら、手紙の請負人とかだろう。
 もしくは竜追いギルドなどに行って、手頃な仕事を探すのが近道かもしれない。独りで仕事をする場合は危険が高いことが多いが、狩人の営舎でしていたことを考えると、これが一番向いているかと思える。


ルッカ=ベニット

 そこかしこから景気の良い声が上がる、昼下がりの市場の喧騒の中を一人の青年と一匹の犬が 所在無さげに歩いている。
「街の暮らしってのは金がかかるな、相棒・・・」
 自分の歩幅にあわせて小脇を歩く相棒、犬のオーサンの頭を 軽く撫でながら溜息混じりに呟く。
 故郷のオウロを旅立つ時、国王から頂いた旅費ももはや底をつきかけている。 人生の大半を山の中での自給自足で暮らしてきたルッカにとっては、なかなか信じがたいことではあったが。
 とはいえ、文句を言っても現実は変わらない。 何とか当座の食い扶持を稼がなければ今泊まっている宿屋も明日には出て行かなければならなくなるのだ。