ノースパール地方には多数の遺跡がある。 太古の文明…創造竜によって人が作られてからほんの数百年ほどの文明がこの地方にあったからだといわれている。 遺跡には罠が多量に仕掛けられていることもあり、未知の魔物が棲み付いていることもある。 その罠への対処法、魔物の特徴などを教えてくれるのが、この遺跡ギルドだ。……といっても、このギルドは公式の施設ではない。 一人の引退冒険者が経営している施設だ。 かれの名前はウッド。15の時に冒険者になり、それから40年間ずっと冒険者として生きてきた男だ。 現在60歳という高齢だが耄碌もしていないし、身体も健康で、かれはそれを、 「冒険には知恵と力が要る。40年も動かしつづけてたんだ。簡単に鈍ってたまるか」 といっている。 ここでは、かれに様々な教えを受けることが出来る。 冒険者の間には、かれに教えられた知識が実際に冒険で役に立ったときには、その冒険で得られた物品の一部をかれに渡す、というような不文律がある。 もちろん自由意志だし、誰も強制などはしない。 習得可能 特殊技能 ウッドの罠知識 ウッドの魔物知識 |
GM |
リリアーノは、「修行用 訓練希望者以外立ち入り禁止」という札の下がった扉を開けて、閉めた。 瞬間、足元の床がパカリと開く。 声を立てる暇もあらばこそ、リリアーノは暗いスロープを滑り落ちていった。 |
ウッド |
リリアーノ< 「ああ、がんばれよ」 |
リリアーノ |
ウッド< 「そこって…その扉が?」 |
ウッド |
リリアーノ< 「おう」 |
リリアーノ |
ウッド< 「なるほど、面白そうだな、もちろんやるぜ。 |
ウッド |
リリアーノ< 「ああ、おれが遠い昔に発見した遺跡でな。 |
リリアーノ |
ウッド< 仕事は斡旋していないとのことだったが、ウッドの最後の言葉に驚いた。 |
ウッド |
リリアーノ< 「仕事だと? |
リリアーノ |
ウッド< 「あはは、それはそうと、何か仕事ないかい?」 |
ウッド |
リリアーノ< 褐色の肌の老人は、自分に声をかけてきた男をまじまじと見る。 |
リリアーノ |
一人の男が入ってくるが、賑やかなギルドには何の変化もない。 「ギルド長のウッドさんてのはどこだい?」 近くにいた冒険者風の男に声をかける。 「あぁ、どうも。」 ウッド< 「どうも。自分でいうのもなんだが新入りだ。 |
冒険者ハルーク |
「ふむ… 親交を深めている時に申し訳ないが。 そろそろ出発しよう」 以後、舞台はシナリオ5へ移行します。 |
リツ |
メイム< 「ありがとう。私はリツ──よろしくお願いしますね」 シース< 「シースさん、ですね。心強い──かどうかはわかりませんけれど、皆さんのお邪魔 アシュレイ< 困ったような顔をしている──というからには、何かの意志を行動に移すことができないでいる。しかもその原因が自分にあるとなれば、リツに落ち着いていられるはずもない。 ハルーク< 「お初にお目にかかります。私は刃を以て戦う者──リツ、と申します」 |
冒険者ハルーク |
(私とした事が…間抜けた事をしたものだな。 先ほどすれ違った女性が、ギルドの方で斡旋を受けて冒険者だったか) 微妙に憮然とした表情をして、ハルークが戻ってくる。 そして、リツの前まで来て一礼して見せた。 リツ< 「貴女が竜追いギルドの方で斡旋を受けた御仁だね。 |
アシュレイ |
リツ< 丁寧に礼を言われて、困ったような表情をする。 |
冒険者シース |
リツ< 「僕はシース。探索行に同行してくださるのですか。 |
メイム・リフレイン |
リツ< 「はい、ぜひ仲間になりましょう!」こちらも微笑み返す。 |
リツ |
アシュレイ< 「ああ、入れ違いでしたか……」 メイム< 「あ、はい。ジョードヌから来ました」 |
アシュレイ |
リツ< 振り返って、一瞬迷ってから |
メイム・リフレイン |
リツ< 「ハルークさんなら今、竜追いギルドへ向かいましたけど?」 |
リツ |
きぃ、と静かに扉を押し開ける。 瞬間、降り注ぐ視線にはもう慣れた──未踏の地・ジョードヌからの漂着者であるリツは、いつ、どこに行っても大概は奇異の視線に晒される。最初こそ苛立ちを覚えたものだが、 今では「そういうものだ」と割り切っていた。 「あのう……」 と、手近な男に声をかける。 さすがに酒を酌み交わしている途中に話を差し込むのは悪いので、暇そうにしている男を選んでいた。見知らぬ他人にすら、礼儀を忘れることができないのは彼女の癖だ。 アシュレイ&メイム< 「ここに、ハルークさん……という魔術師の方がいらっしゃると聞いたのですが。どなたかご存知ありませんか?」 |
冒険者ハルーク |
アシュレイ&メイム< 「ふむ…」 |
アシュレイ |
メイム< 「今からでもかまわない」 |
メイム・リフレイン |
ハルーク< 「準備は万全ですよ」 アシュレイ< 「貴方はどうですか?」 |
冒険者ハルーク |
シースに変人扱いされても眉一つ動かさず、ハルークは早々に彼が目標としている遺跡の話を始めた。 アシュレイ&メイム< 「これから私達が向かおうとしているのは、ここから北に進んだ山の麓にある遺跡だ。名を“眠りに沈む寝床”という。 |
冒険者シース |
満足そうに頷くハルークを見て、(やれやれ)と溜息を吐く。 そして改めてアシュレイとメイムに向かった。 アシュレイ&メイム< 「唐突なお話で申し訳ありませんでした。 |
アシュレイ |
ハルーク< 「ああ。異存はない」 メイム&シース&ハルーク< 「では、改めてよろしく」 |
冒険者ハルーク |
メイム< 「ああ。よろしく頼む」 アシュレイ< 「構わないかな?」 |
メイム・リフレイン |
ハルーク< 「私はメイム・リフレインと申します、以後宜しく」 |
冒険者ハルーク |
メイムの言葉に彼を振り返り、暫く見つめる。 メイム< 「…夢人よ、大した話ではない。 |
アシュレイ |
メイム< 二人に同意していようとしていたアシュレイは、言葉を止めて、話しかけてきた男を見た。 |
メイム・リフレイン |
アシュレイ&シース&ハルーク< 「何を話しているんですか?」 |
GM |
…と。 シースの言葉にアシュレイが答えようとした刹那、先刻からその三人を眺めていた男がその間に入ってきた。 |
冒険者シース |
ハルーク< 「突然すぎるよっ、あなたはっ」 アシュレイ< 「あなたは誠実そうな方ですし、ハルークもそう思ったようです。 |
冒険者ハルーク |
アシュレイを見つめ、そしてふと目を緩めた。 そして彼がシースに言った台詞に、シースより先に応じる。 アシュレイ< 「ならば君は今日から私たちの仲間だ」 |
アシュレイ |
ハルーク< 「…信頼を裏切るような真似をしたことはないつもりだ」 シース< 「俺は仲間を探している」 |
冒険者ハルーク |
魔術士然とした風貌の男は、ただ視線を送っているだけで無言だった。 会話を進めるのはシースの役目で、自分は考える役…とでも考えているのかも知れない。 …と、シースが「冒険の仲間を…」と言ったところで口を開いた。 独り言めいて< 「先日の探索で、共に行動していた仲間が命を落とした。 |
冒険者シース |
小柄な少年は――年齢は十七、八程度だろうか――アシュレイを見上げ、覗き込むような眼差しで見つめた。 暫く考えてから、言葉をかける。 アシュレイ< 「あの、間違っていたら申し訳ありませんが… |
アシュレイ |
それぞれに挨拶を送ってくる二人に応じて、アシュレイも言葉を返した。 シース&ハルーク< 表情を和ませて名乗る。 |
冒険者ハルーク |
長身の、線の細い男がお辞儀をする。 白面に、細くしなやかな黒髪が流れる。 身に纏っているのは鎧ではなく動きやすそうなローブで、おそらく魔術を使うのだろう。瞳には深い知性が見えた。 アシュレイ< 「私は、ハルーク・レイス。 |
冒険者シース |
会釈に応じるように、二人組みの片割れ、シース・クラウセルが一歩前に出た。 アシュレイ< 「こんにちは…、ええと、始めまして、ですよね?」 |
アシュレイ |
アシュレイは、十五人ほども居る冒険者達の様子を観察する。 彼の目的に合った、信頼できる者。 実力が高いだけではならない。 …見たところ、十五人の内少なくとも十三名が、 それぞれ自立した使い手だ。 その中で、目付きや表情から、その内面もいいものだと思えるのは、少なくとも五人。 手奥に固まっている三人と、今彼の視線に気がついてそれを見返す、二人の冒険者だ。 「……」 アシュレイが僅かに会釈して挨拶を送ると、 二人組みの片割れが応じた。 |
GM |
ギルドの中は、今日も盛況である。 ウッドの知識を伝授してもらおうと訪れた新米の冒険者から、彼から得た知識で無事に宝物を得ることが出来た熟練の冒険者までが、中に集まって談笑しているのだ。 このギルドは、入り口を入るとちょっとした部屋になっていて、そこが冒険者達の溜まり場になる。 「…其処で俺はぴんと来た! あいつは、何かを隠しているに違いないってね」 「…それは私が今まで見たことも無い怪物だった。 そいつが起き上がって目を開くまで、私はそれをただの岩山だと思っていたくらいだ」 そんな風に冒険者達が冒険譚を交し合う中、入り口の扉が開かれた。外から寒風が入り込んで、そしてすぐに収まる。 入り口付近の冒険者達の数人が振り返るが、大方の冒険者達は気にも止めない。 入ってきたのは、一人の男だった。 |