PBeM
〜Dragon Pursurs〜
竜追い達の唄

“大森林フィアヌス”森人の町
イ=サードをその縁に置くこの世界最大の大森林の一つ、
フィアヌスの中に存在する一つの町。

:森人の町 月の幻想亭:
 一本の巨木を思わせる、背の高い、すんなりとした木造の宿。
 三階建てだが細長い形をしているため、それほどの収容人数はない。
 店主は若いエルフの男性で、名をパークッスト。まだ百歳にもならないかれは外の世界に大きな関心を持っており、たまに訪れる旅人には喜んで酒を振る舞い、外の話を求める。

投稿(件名…森人の町 月の幻想亭)
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GM

 二人は、シナリオ20に移動します。


プリネラ

パークッスト<

「ありがと。プリネラもがんばって獲物をとるから。」
 感謝を伝えるとアウラの後をついて出発する。


アウラ

パークッスト<

「これは、かたじけない。」
 パークッストから携行食を受け取ると軽く会釈して月の幻想亭をあとにする。


GM

 出発しようとする二人の背中を、パークッストが呼び止めた。
「ちょっと、ちょっと待ってください。お二人とも」
 慌てた様子で、部屋の掃除に使っていた箒を放り出して、やってくる。
 そしてアウラとプリネラに、それぞれ、何か布に包まれた小さなものを手渡そうとする。
「秘伝の携行食です。森の中ならまだともかく、荒野に出れば、必ずしも獲物に出会えるとは限りません。この小ささで三食分はありますから、餞別代わりにどうぞ」


プリネラ

何か物音を聞いて、はっと目が覚める。朝だ。明るい。慌てて身支度を整えると部屋の外に出て行く。二階から降りると既にアウラが下で待っているようだ。アウラと一緒に出発することにする。


アウラ

意識が覚醒してくる。外はもう明るくなってきているようだ。起きて出発しなくては。身の回りの支度を手早く済ませると部屋の扉を開けて階下に下りていく。プリネラがやって来るのを待って、出発することにする。


GM

 何事もなく一夜が過ぎていく。
 月が昇っていき、空に沈み込んでいくのと入れ替わるように太陽が昇っていく。朝日の前の曙光が、東の空に現れる。
 あと少しで、その曙光が消え、日が昇ってくるのだろう。
 紫色の薄明かりの中、西の空の方に、月が去っていこうとしている。
 この時点でアウラが起きてきたなら、すでにあれこれと準備をしている宿屋の主であるエルフの姿を見付けることができただろう。


プリネラ

「タンティス・・・アルフェイル・・・」
 何かを思い出すようにつぶやきながらアウラのあとについて二階の部屋に入っていく。しばらく、ごそごそと動き回っていたがそのうち寝入ったようだ。


アウラ

パークッスト<

「それじゃ、遠慮なく二階の部屋に泊まらせてもらおう。
 明日は我々、早朝に出発するから今挨拶しておくよ。」

 二階の部屋に行く階段をゆっくりと上がりながら、パークッストに片手を挙げて挨拶する。そのまま部屋の扉を開けると荷物を床に降ろし、ベットに直ぐ横になる。速やかに眼が閉じられて眠りに落ちていく。


パークッスト

アウラ<

「白星の正体については、その通りです」
 苦笑いして頷く。
「方角は北……」
 北側の窓を指さし、ちょうどそこから見える夜空に輝いている、白金色の星を示してみせる。
「わたしたちは、大森林において常に北に輝くあの星を“白星”と呼んでいるのです。ご存じかは分かりませんが、ここではあの星は、森の神たる“広がり、維持する者”タンティスに次いでエルフたちの間で信仰されている大神、風と水の神“探す者”アルフェイルの象徴でもあるのです」
 敬虔そうな表情で、祈りの仕草をする。
「お泊まりですか?
 結構ですよ。ちょうど、お部屋も空いています。
 好きにお使いください。二階でも三階でも、お客様は他にはいらっしゃいませんから」


プリネラ

 アウラから宿泊の意向を告げられて、そそくさと寝るための片付けを開始する。遊び道具をしまったり、弓矢や皮袋を身の回りに集めたり移動の準備だ。今日は旅立ちの決定をして以降いろいろなことがあって結構疲れている。

アウラ<

「朝早く出発だよね。方向さえ分かれば、プリネラ迷わないから」


アウラ

パークッスト<

「まずは、白星を背にして七日、七晩を歩く・・・か。
 ご亭主、こちらで言う白星とはどの星のことかね?季節と時間で方角が変わらないとすると極星のようでもあるが」

プリネラ<

「とりあえず今日は一泊して明日出発するとしようか」

パークッスト<

「ご亭主、今日は一泊させてもらう。宜しく頼む」

椅子から大儀そうに立ち上がって、寝場所に移動しようとする。


パークッスト

アウラ<

「分かりました。いいでしょう」

プリネラ<

 輝かんばかりの眼差しを受けて、くすりと苦笑混じりに声を漏らす。
「幼い女神のようですね」
 呟くと、目を閉じた。
 やがて、朗々と、芝居めいた声で吟じ始める。
「森妖精の里は隠されし聖域。
 木々の祝福を受け、草花の愛を受け、薄羽の同胞の加護によりて、あるはなきが如く、なきはあるが如くとされし古里。
 まずは、白星を背にして七日、七晩を歩き、唯一にして不可侵なる、深々と生命に満たされし森を抜けよ。
 斯くて荒野に出でし後は、生命なき大地にそびえし、世界を支えるが如くに立つ、二本の黒岩を求めよ。
 その大いなる塔こそは、聖域が在処を指し示す道標。黒岩の足元に寄りて、彼を背にし、西へ進め。振り返りし視線に、一つの塔のみが見えたらば、旅の終着点は遠からず。さにあらず、二つ、あるいは三つの影あらば、取って返し、再度の導きを黒岩に求めよ。
 正しき道の上に立ち、三日と三晩、たゆまぬ意思持ちて歩まば、汝れは夢の訪れと共に、森妖精の招きを得るであろう」
 言い終えると、目蓋をあげる。
「と、いうことです」


アウラ

パークッスト<

「エルフの里か。それは助かる。大森林の西南部深奥の情報が何か入手できるかも知れない。私からもお願いする。そのエルフの里の所在を是非教えて欲しい。」

 パークッストに軽く頭を下げて要請する。


プリネラ

パークッスト<

「うん。森の精霊に誓って他言しません。だから、お兄さん、教えて。」
 期待に満ちた顔でパークッストを見つめる。


パークッスト

アウラ<

「そうですねえ……。最近は、南部への探索もあまり進められてはいないようですし。砦についても、わたしは話を知っているだけですから。町であれば……カルファールあたりの竜追いギルドであれば、誰かしらはいるかもしれませんが」
 済まなさそうに告げる。

プリネラ<

 きょとんとして見返す。
「エルフの里のことでしょうか?」
 いうと、首を傾げ、ややあってから、手を叩いた。
「なるほど。そうですね。砦については詳しくは分かりませんが、エルフの里まで行けば、誰かしら知っているか……あるいは、知らなくても知っている人を知っている人がいるかもしれません。
 うーん、そうですね」
 少し、悩んでいる様子だ。

 魅力判定:分類/交渉・対人魅力
  プリネラ:成功!


 しばらく考えてから、頷いた。
「よろしいでしょう。
 あまり他の種族の方に教えてはいけないのですが、あなた方は信頼できるでしょう。決して、里のある場所については、誰にも話さないでくださいね。よろしいですか?」


プリネラ

 アウラから質問されて、何か思い出したようだ。

パークッスト<

「あのね、プリネラがここら辺で遊んでいるとき友達が言っていたよ。森の奥にエルフの村があるって。お兄ちゃん、知らない?
 人族の砦でも、エルフの村でも良いから大体の方角と行き方を教えて。プリネラ、森の中でも迷わないから。」

アウラ<

「どこでも行くよ。でも、あんまり怖いのはやだよ。」


アウラ

 体長2.5mで凶暴、人肉を好むか。頭の中でロングホーンの姿を想像してみる。うーん、確かにあまり関わりあいたくない存在だ。自分とプリネラだけだと少しばかりこころもとない感じがするが、どうしようか?

プリネラ<

「それでは、魔境にある人間の砦に先ず行ってみようか?そこだと大森林の深部の情報を聞ける可能性があるかも。どう思う?」

パークッスト<

「まあ、これから物騒な地区に向かうわけだし、誰かあっち方面にご一緒できる方いないかね?例えば、その人族の砦へ物資を運ぶ連中とか、私たちみたいに大森林の南西部に用事のある人とかいないかな・・・まあ、そんな都合良い話はないか」
 言ってみて苦笑いする。


パークッスト

アウラ<

「対処法の元になれるほどの話ではありませんけれども。
 ロングホーンというのは、大陸の南部ではそれなりに見られる魔物です。外見は、いわば、巨人ですね。といっても、北海王国に棲息しているらしいようなものとは種類が違います。身の丈は、大体2.5m前後だそうですから、もちろん私たちと比べれば充分過ぎるほど大きいですが、かの国にいるようなものよりは小さいのでしょうね。
 名前の由来は、その頭に生えた一本の角にあるのでしょうね。長く、青黒い、見るからに剣呑な代物だそうです。同様の種族に、ショートホーンという魔物もいます。名前のごとく、ロングホーンよりも短い角を持っています。こちらは、ロングホーンに比べれば小柄だそうですね。
 どちらも、凶暴で、それなりの知能を持っているそうです。個体によっては、人族の言葉も話すのだとか。精神的にはあまり強くなく、ふとしたことで我を失ったりするそうです。
 ものによっては武器を持つそうですが、基本的には手や足、牙を使うようです。その鋭い角で突かれるだけでも、恐ろしい目には会えそうです。
 危険なのは、集団で群れることがあるところだそうですね。いや、小規模の群れはどの魔物も形成しますが、ロングホーンやショートホーンは、町といえるようなものまで作るのだそうです。こと、住宅の建造において、ホーン族は極めて優秀な能力を持っているそうですよ。
 町に住まないホーン族は、一体か二体で荒野をうろつき、食欲のままに行動するばかりだそうですから、むしろ、あなた方が遭遇する恐れがあるのは、こちらでしょうね。
 肉でも草でもなんでも食べるそうですが、やはり好むのは人族の肉でしょうね。そう、相場が決まっていますし。
 一体なら何とかなるかも知れませんが、二体なら相手をするのはよした方が良いでしょう。気づかれる前に隠れてしまうのが吉、でしょうね。あるいは、手の届かない場所から弓矢で倒してしまうか。
 獣のように火を怖がるのであれば良いのですが、知能のある魔物はあまりそんなことはないですからね」


プリネラ

 パークッストが言ったロングホーンという言葉に反応して、自分の遊びの世界を止めて注意をパークッストに注ぐ。何か面白い話が聞けそうだ。真剣な眼差しでパークッストの口から発せられる話を待つ。


アウラ

 シリィンの雪か・・・パークッストの話を聞きながら思い出す。見上げると低く垂れ込めた曇天からちらちらと落ちてくる、小さくわびしい雪だ。雪に閉じ込められた冬の閉塞感、同じようにドラクロワ家の厳格な躾によって押さえつけられた閉塞感、アウラの心裡に過去の惨めな日々の記憶がよみがえる。これらの記憶を振り払うかのように目を強くつぶると、パークッストに聞き返す。

パークッスト<

「ロングホーン? 聞いたことがないね。それはどの程度危険な魔物なのかね? 対処方法を考えておく上で情報を教えてもらえるとありがたい。」


パークッスト

プリネラ<

「ああ……どうも」
 戸惑ったように微笑みを返す。
「失礼、わたしは狩人言葉には詳しくないのですよ」

アウラ<

「よろしく。わたしはパークッスト」
 にこりと挨拶を返す。
「シリィンとは!
 また、遠くからいらっしゃったものですね。わたしはまだ話にも聞いたことがありませんよ。雪、でしたか? 本当に、氷が空から降ってくるのですか? 周囲の景色は白ばかりというのも? 寒すぎて汗を掻く端からそれが凍り付いてしまうとかも?」
 目を輝かせながら、次々と質問を繰り出していく。
 それから、アウラの問いに答えた。
「なるほど。ソードノート地方の南西部に行かれるのですね。それは確かに、情報にはお困りでしょうね。
 仰るとおり、あちらは完全に、魔族の支配圏にありますからね。僅かながら、境界のあたりに人族の砦が築かれてはいるようですが、維持するだけで精一杯といったところでしょう。
 今は、かの騎士王国も、大魔術師王国も、南東の魔境攻略に力を注いでいるようですし、こちらは手薄になってしまっていますから。
 竜追いの仕事の一環……ということは、創造竜の痕跡を求めて、探索の旅に出るということでしょうか。遺跡の探索、洞窟の発見、踏破、秘境の開拓に魔境の制覇も、すべては大いなる主を再びこの世界に呼び戻さんとする、聖なる行いであると聞いています。わたしも、是非、協力したいところです」
 敬虔そうに、胸の前で、祈りの形に手を組む。
「しかし、残念ながら、あちらの地方の話はほとんど耳には届いてはこないのです。……そうですね、出没する魔物の部族についてくらいなら。
 聞いたことはおありでしょうか、ロングホーンと呼ばれる魔物の種類については?」


プリネラ

パークッスト<

 アウラから紹介されて、パークッストを見る。にっこり笑いかけると山人語で簡単な挨拶をゴニョゴニョと呟いて再び遊びに夢中になる。色々な形の木の枝や葉をテーブルに並べては組み合わせで何かのしるしらしきものをつくっている。小さな手と指が素早いテンポで動いて何かの形が出来上がってくる。その内機嫌よく鼻歌も歌い始めた。


アウラ

パークッスト<

「やあ、ありがとう。」

 出された飲み物を一気に半分ほど飲み干す。テーブルの上にカップを置くと深いため息をついた。心に余裕が出たようで改めてパークッストの様子を観察する。若いエルフだ。こちらの方を興味深そうに見ている。何か話しかけるべきなのだろう。

「わたしは、アウラ・ドラクロワという。シリィンの出身だ。そちらの女の子はプリネラという名前らしい。たった今知り合ったばかりさ。一緒に冒険に連れて行ってくれっていうのだが、ここら辺の出身らしい。」

 それとなくプリネラの方を見ると再びテーブルのカップに手を伸ばして、飲み物を今度はちびちびと飲み始める。

「これからフィアヌス大森林の南西部を中心に調査するつもりだ。かなり危険そうな仕事だが竜追いの仕事の一環でね。
 聞くところによると魔族の支配地と重なるらしく、なかなか情報がなくて困っている。
 何か変わったうわさとかないかね? いや、まあ、そのエルフ仲間内での特別な情報でも教えてもらえるとありがたいのだが」


プリネラ

 月の幻想亭の扉を開けて店内に入っていく。そこにアウラを見つけると横まで歩いていき話しかける。

アウラ<

「旅の準備できたから何時でも出発できる。」

 ぶっきらぼうにそう言い放つとアウラの側の椅子に座ってテーブルに頬づえをつき、足をぶらぶらさせて遊び始めた。


パークッスト

アウラ<

「ええ、少しお待ちくださいね」
 アウラの言葉に、まだ若そうなエルフが応じる。しばらく考えた後、ある赤い木の実を搾った、甘いジュースを出すことにする。
 陶製のカップに飲み物を注ぎ、持って行く。
「はい、どうぞ」
 旅人らしいアウラの姿に目を輝かせ、興味深そうに視線を注がせる。


アウラ

 ゆっくりとした動作で月の幻想亭に入ってくる。店内をひとあたり観察し、店主に軽く会釈すると近くの椅子に勢い込んで深々と腰掛ける。長旅で疲れているといった感じだ。

店主<

「すまない。何か喉をうるおすものを頼むよ。」
 連れがいるのか入ってきた扉の方を気にしている。