群盗の殲滅の依頼。 マリユスが目を付けたのは、その仕事だった。 その仕事に参加できればそれで良いし、出来なくとも、貴族との繋がりを作ることが出来るかも知れない……。 マリユスは、キートン南方領泊の領地へと向かうことにした。 |
槍を磨く男 |
マリユス< 視線を向けて、しばらく見つめてから、戻す。 「覚えている」 槍を磨き終わり、使っていた布をしまうと、今度は麻紐を取り出し、部分部分の補強をし直し始める。 「お互い、同じ目当てで来ているようだな」 |
マリユス |
(あら、見た顔だと思ったらギルドで見かけたオジさんじゃな いの。 …相変わらず愛想の無い面してるわねぇ〜…) 先日同様の仏頂面で槍の手入れをする男の様子に、思わず苦笑が漏れる。 しかし、あれから一日掛けて歩いてきたこの場所で会う、とい うのは偶然にしては出来過ぎた話である。 この男も、自分と同じく野盗退治の依頼を受けて辺境伯の館へ向かっているのだろうか? (本人に訊いて見るのが一番手っ取り早いわね) 路銀の入った皮袋を懐に戻しながらツカツカと男の元へと歩いて行く。 槍を磨く男< 「失礼、お隣構わないかしら?」 一応問いはしたものの、相手の返事を待たずに手近な椅子に腰を下ろす。 「怪しいものじゃ無いから、心配しないでね。 昨日ボン・ノドンの竜追いギルドでお会いしてるのだけれど …覚えているかしら?」 |
GM |
マリユスは支払いを済ませる。 と、ふと、店の中(客室は奥にあり、入り口付近は酒場になっているのだ)に、見覚えのある姿があったことに気づく。 この仕事を受けるときに、ギルドの中にいた男ではないだろうか? 今も、飾り気のない槍を、真剣な顔で磨いている。 |
宿の主人 |
マリユス< 「ええ、そうですよ。出立はご自由になさって結構ですからね。 お部屋は、あちらになります」 と、部屋の場所を教える。 |
マリユス |
宿の主人< 「感謝するわご主人、お代は前払いかしら?」 喜色満面といった笑みを浮かべながら宿の主に尋ねる。 |
宿の主人 |
マリユス< 「よござんす、15Rdでお泊めしましょう」 宿の主人の挙げた最初の値段は大げさにふっかけていたのであるが、これでかなりの値引きをしたことになる。 |
GM |
マリユスは、宿代の値引き交渉を始めた。 知力判定:分類/交渉 vs 宿の主人 マリユス:素晴らしい成功度! 常に、もの慣れた旅人を相手にしているような海千山千の商売人が相手だったが、マリユスは言葉巧みに交渉を行い、限界まで値引きをすることに成功した。 |
マリユス |
ある程度予想はしていたが、宿の主人から告げられた宿代は懐の皮袋の中身全部に匹敵する額だった。 宿の主人< 「ええ、私一人の一泊で構わないわ。 …それでご主人、少しご相談が有るのだけれど――」 一旦言葉を切り、さも申し訳ないといった沈痛な面持ちで瞳を 伏せる。 「少し事情がありまして、今は手持ちが心元無くて… 宿代をいくらか安くして頂けると大変助かるのだけれど…」 |
宿の主人 |
マリユス< 「はいはい、どうもどうも。お泊まりですね? 一名様でよろしいですか?」 客が入ってきたのに気が付いて、奥から急いで出てくる。 そして、マリユスの格好をじろじろと見て、試すような目で、 「50Rdとなりますが?」 |
GM |
内装は、さっぱりとしているといえば聞こえは良いが、要するに、何もない所だった。まあ、屋根と食事、部屋を提供するだけの宿屋などというものは、よっぽど、サービスに力を入れている管理人でもない限り、こんなものだろう。 |
マリユス |
どうやら今夜は野宿する羽目にはならずに済みそうだ。 本当なら湯浴みでもして旅の汗を洗い流したい所だが… このように小さな宿屋では入浴の設備が整っているかどうか微妙な所だろう。 「まあ、贅沢は言えないわねぇ…」 呟くと建物の中へと入る。 |
GM |
日が落ちる頃に、マリユスは、宿を見つけることが出来た。 シノン街道でも、管理の良い辺りでは、このように宿が建設されているのである。旅人の安全を確保するためであるし、そこから収入を得ることが出来るからでもある。 中には、たちの悪い宿もあるのだが……。 この宿は、木造の、小さめの建物だった。 外から見る限りでは、ちゃんと営業されているようだ。 |
マリユス |
(そろそろ野営の準備をした方が良さそうね) 延々と続く夕日に照らされた街道の彼方を見ながら一人ごちる。 別段急ぐ旅では無い、休める時に体を休めておいた方が得策だろう。 (となると今日の寝床を確保しなくてね‥) 街道を歩きながら其れらしき場所を探す。 日が落ちる前に、夜露の凌げそうな場所でも見つかれば良いが。 |
GM |
そろそろ、日が暮れるという頃になってきた。今のところ、道は悪くないし、特におかしなことも起きていない。 順調に進めば、キートン南方領泊の領地まで、後、二日といった所だろう。 |