アーシュラたちは、発掘の援助を依頼された。 イ=サード北東に古代の遺物があることが分かり、依頼人はそれを発掘したいのだそうだ。 それは魔物に守られているため、その撃破をしてほしいのだという。 どうにも胡散臭い仕事なのだが……。 |
GM |
二人は竜追いギルドに向かった。 |
マリン |
立ち去るアーシュラを見ながらアドナンに別れの挨拶をする。 アドナン< 「アドナンさん、お友達を失って悲しいかもしれませんが、気を落とさずにがんばってくださいね。 私達、鷹の宿で休むことにしますので、良かったら遊びに来てください。」 アドナンに微笑みかけ深々とお辞儀をすると、アーシュラの後をついてギルドに向かう。 |
アーシュラ |
放り投げられた指輪を素早くキャッチすると眼を細め空にかざして品定めする。 「ふん、魔術師の指輪かい。良いものなんだろうね。」 かなり嬉しそうな様子を見せながら、早速指輪を嵌めてみる。ニッコリと笑ってマリンに見せびらかす。 アドナン< 「おっさん、ありがとうよ。ありがたく、もらっとくよ。 また、縁があったら会おうや。」 そういうと後ろを向いて、片手を挙げ、手をひらひらさせて別れの挨拶をする。 そのまま、スタスタとギルドに向かって歩いていってしまう。 |
アドナン |
しばらく黙ってついて行っていたが、ふいに、立ち止まる。 後、角を一つ曲がれば竜追いギルドがある通りに入る所だった。 アーシュラ< 「俺ぁ――やっぱり、止めとくわ。 あのおっさんとは浅いつきあいじゃないしな。合わせる顔もないっていうわけだ」 笑いながら頭を掻く。わざとらしいくらい軽い口調だった。 「だから、悪いな。とりあえず、ここで別れさせてくれ。ろくに礼もできないが、そうだな、こいつでも持って行ってくれ」 手袋を脱ぐと、中で嵌めていた指輪を外し、ひょいと、二人に向けて放り投げる。 複雑な模様をした地金にガーネットをあしらった、古びた指輪だ。アーシュラもマリンもよく知っていた。叡智の塔で学問を修め、一人前の術士として認められたものが師から授けられる“魔術師の指輪”だった。 師から与えられる他にも、所有者だった魔術師が旅先で倒れて人の手に渡ったり、あるいは食べるものに困って売り払ったりされたものが市場に出回っていることもあるが、いずれにしても、安い(易い)品ではないはずだ。 「俺に不要……ってわけでもねぇけどな。いい加減、不似合いになっちまったしな。前途ある若者に役に立つんなら、まあ、その方がいいだろ」 |
マリン |
アーシュラに頷くとギルドに行くことにする。 |
アーシュラ |
マリン&アドナン< 「さてと、イ=サードに到着したね。先ずはギルドに行って報告するか。」 アドナン< 「おっさんも一緒に来るだろう?」 |
GM |
一行は、大魔術師王国イ=サードへ帰還しました。 |
アドナン |
ALL< 「あいよ、嬢ちゃんら」 頷いて、歩き始める。 |
マリン |
慌てて焚き火の後始末をしたりして身の回りを整えると出発することにする。 アドナン< 「アドナンさん、私達も早く出発しましょう。」 微笑みながら、それとなくアドナンにも出発を促す。 |
アーシュラ |
マリン&アドナン< 「さあ、朝だ、朝だ。イ=サードに向けて出発!」 勢い良く立ち上がると、マリンとアドナンの顔を見て出発を促す。そのあと直ぐにイ=サードの方角に向かって歩き始める。 |
GM |
そして、夜が明けていく。 空は澄んだ青色で、旅立ちには最適といえた。 アーシュラも、マリンもアドナンも、すっかりと体調が回復している。 |
アーシュラ |
「旅が終わったらね、先ずはお風呂だね。もう、ずっと入っていないし、この匂い、たまらないよ。服も洗濯したいしね。 そして、お風呂の後は大宴会。全てのメニューを注文してテーブルの上に並べてやる。全て、平らげるまでがんばるぞ。マリンの大好きな高級白ワインも何本でもOKだよ。 買い物もしなけりゃ。うん、あたしは、魔術師の指輪が欲しいな。マリンはホーリークロスが欲しいのだっけ?時間はたっぷりあるからさ、ゆっくりと探そうね・・・ふふっ」 ここまで、しゃべると自分の妄想の中に入り込んで時間が経つのを忘れてしまう。マリンも同様に楽しい妄想にふけっているようだ。 |
マリン |
食事が終わったあとは、何をするともなく、今までの旅の思い出などを静かに思い返していた。随分時間が経過してから、退屈になってきてアーシュラに話しかける。 アーシュラ< 「アーシュラは今回の旅が終わったらどうするの?」 |
アドナン |
マリン< 「そうさせてもらうとするか」 答えると、外套を身体に巻き付けて、そのまま横になる。 |
マリン |
アドナン< 「食事が終わったらどうぞ休んでください。夜が明けたらイ=サードに向けて出発しますので。」 |
アーシュラ |
アドナンの言葉に苦笑する。まあ、無い袖は振れないし、もう起こってしまったことは取り返しがきかないし、そんな気持ちだ。 しょうがない。早く、イ=サードに帰ろう。 |
アドナン |
分配された食べ物にかじりつきながら、答えていく。 アーシュラ< 「いいや、特にねぇな。あれから、遺跡の辺りにも何もみえねぇし、聞こえない。幸い、変な獣も来やしなかった。何か来やがっても、おれにできるのはせいぜい、あんたたちをたたき起こすだけだったしな」 マリン< 苦笑して、頷く。 「おれもだ。途中参加のあんたたちだってそうなら、おれがそう感じても不思議はねぇか。 しかし、なんだ。巻き込んじまって悪かったな。 これまでの研究成果も、ちょっとした錬金術の材料も燃やしちまったからなあ……。あんたたちへの報酬に悩んでいたところだ。ま、それはイ=サードに戻ってからすることにしようか」 |
マリン |
アドナン< 「アドナンさん、どうぞ、こちらへ」 アドナンを焚き火の側に呼び入れて、てきぱきと食べ物を分ける。 「見張り役、ご苦労様でした。アドナンさんも食事したら、少し休んでくださいな。そしたら、その後は、イ=サードに向けて帰るだけですね。何か随分、長い時間が今回かかったような気がします。」 純粋に仕事が終わったことを喜んで、アドナンに向かって嬉しそうに話す。 |
アーシュラ |
焚き火の側に戻って腰を下ろす。アドナンがやってくるのを待って食事を始める。 アドナン< 「あたし達が休んでいる間に何か変わったことでもあった?」 何となく、アドナンの様子を見てたずねてみる。 |
アドナン |
呼びに来たアーシュラを見下ろして、しばらく黙って見返してから、頷く。 アーシュラ< 「そうだな。そうするか」 答えて、岩の上から飛び降りる。 マリン< 「そういえば、腹が減っていたところだ。 何時間食べてなかったか、忘れていたぜ」 |
マリン |
そそくさと身繕いすると焚き火の周りに食事の用意を始める。干し肉とか乾いたパンとか、そんなものを並べると、アーシュラとアドナンがやって来るのを待っている。 |
アーシュラ |
大きく背伸びすると立ち上がり、アドナンが見張っている岩の下まで歩いていく。 アドナン< 「ごくろうさん、あたし達起きたからさ、こっちに来て、一緒に火にあたらない?」 |
GM |
まずはアーシュラ、続いてマリンは、自分たちが寝ている傍に拵えられた焚き火を見付ける。 辺りはすっかりと闇で包み込まれている。焚き火を中心に、暖かな空間が広がっていた。 その脇、小高い岩の上にアドナンが腰を下ろして、辺りに視線を配っている。慣れない様子で、鞘に入ったままの短剣をまさぐっているようだ。 |
マリン |
何となく気配で目が覚める。アーシュラもついさっき起きたようで周りをキョトキョト見回しているようだ。アドナンさんはどうしたろう?そんなことをぼんやりと考えながら次第に意識がはっきりしてきた。 |
アーシュラ |
四時間完全熟睡した。気力・体力が回復したところで目が覚める。時刻は夜中のようだが・・・ゆっくりと周りの状況を確認し始める。 |
GM |
精神力をすべて回復させるなら、今回は四時間以上の休息が必要であるとします。 現在時刻から四時間後は夜中、日も落ちて大分経った頃になります。 好きな時間帯で起きられて構いませんので、自由に投稿なさってください。 |
アドナン |
アーシュラ< 「と、ちょっと待て。その傷の手当てはしとかねぇとな」 服の隠しから包帯を取り出して、手当てを始める。 技能判定:分類/手当て・裂傷(鮮やかな切り傷) > アーシュラ アドナン:成功! > HP6回復! > 「止血」! ALL< 「じゃあ、ゆっくり休んでろ」 見張りくらいは務められねえとな。呟いて、周囲を伺う。 「何もいる様子はねぇか」 黙って、辺りを見て、 「生き残りも他にはいねぇよなあ……」 別れを告げたはずのものに、未練がましそうに言って、空を仰ぎ見る。 |
マリン |
薄目を開けてアーシュラの方を見る。 アーシュラ< 「アーシュラ、大丈夫?寝ちゃったの?」 アドナン< 「アドナンさん、ごめんなさい。私達、限界みたい。ちょっと休ませてもらいます。もう亡者も追ってこないようですので・・」 アーシュラの側によろよろと歩いていくと、座り込んで休息を取り始める。 |
アーシュラ |
一当たり、マリンやアドナンの様子を見て、特に重症なものはいないようだ。そう思った途端に緊張の糸が切れていくのを感じる。 ALL< 「ふう・・、何とか切り抜けたね。ちょっと休むもうよ。」 立っていた場所で、そのままくず折れるようにして尻餅をつく。疲労のため急激に眠くなってくる。その内がっくりと下を向くとそのまま動かなくなる。 |
GM |
再度、マリンが呼び起こした癒しの力で、マリンの傷は完治する。まだ、傷を受けた影響で、寝起きの時にも似た、気怠さと意識の閉塞感があるが、大きな影響はないだろう。 アーシュラ、マリンとも、魔法を使いすぎたことによる疲労感が強い。特にアーシュラは、亡霊の放った風刃で付けられた傷が痛む。 |
マリン |
周りの状況から察するに亡者から逃げ切れたようだ。これで一息つける。とにかく自分でも傷の状態がはっきりしないので、再びヒーリングを唱える。 アーシュラ< 「えぇ、えぇ・・・何とか、私たち助かったの?」 |
アドナン |
アーシュラ< 「分かった」 頷くと、足を緩める。 それから、もう一度、背後を振りかえる。 じっと、黒煙を見つめて、 「あばよ、悪友ども」 小さく呟いた。 |
アーシュラ |
逃げてきた方向を振り返って何か追ってくるものがないか確認する。とりあえず、亡者はやってこない。 アドナン< 「どうやら、諦めてくれたようだぜ。マリンの様子を見たいから少しゆっくり行くよ。」 マリン< 「マリン、しっかり、傷は痛むか?」 マリンの傷の状況を見て、応急の処置が必要かどうか判断する。 |
GM |
亡者は苦悶の声を上げながら、身悶えしている。 逃げていく獲物達に苛烈な視線を向け、一度、二度と、魔力の塊を投げつけるが、狙いも定まらない。 周囲のものを巻き込んで燃え上がる炎に包まれ、身の毛のよだつような声を上げると、とうとう、亡者は穴の中に吸い込まれるようにして消える。 追跡を諦めたようだった。 アーシュラたちは、我を忘れて走り続けていった。 背後で、キャンプのすべてが燃え上がり、焼け落ちていく。 最後に、轟音と共に、黒色の炎を吹き上げて、大きな爆発が起きる。 もうもう、と、夕焼けの空に、黒煙がたなびいていった。 |
アドナン |
アーシュラ< 「よし、任せろ」 亡者への予想外の打撃に泡を食っていたが、アーシュラの声に我に返って応じる。 腕力に自信はないが、それでもなんとかアーシュラと共にマリンを抱えて走り出す。 |
マリン |
良くわからないが、アーシュラに抱きかかえられて移動しているようだ。されるがままになっている。何とかして、意識をはっきりさせようと必死にがんばってといるのだが・・・。 |
アーシュラ |
マナフレイムの効果が予想外の効果を出したのに暫らく呆然とする。しかし、危険な煙が身近まで迫ってきたのに気づくと慌てて退散することにする。未だ、朦朧としているマリンを抱きかかえると炎と亡霊から遠ざかろうとする。 アドナン< 「おっさん、退避!退避! 逃げるぜ。マリンを運ぶの手伝ってくれ。」 |
GM |
アーシュラ23(17+2D6) マリン13(7(15)+2D6) アドナン25(13+2D6) 遺跡の主22(13+2D6) 「25フェイズ」 命中判定:分類/投擲・荷物袋B > 遺跡の主/足元(大きな目標) 技能なし:成功! 「23フェイズ」 詠唱判定:分類/マナフレイム(9) アーシュラ:4.75+1D4…7.75 8.75 2フェイズ後 「22フェイズ」 遺跡の主:魔力の収穫 開始 「21フェイズ」 発動判定:マナフレイム > 遺跡の主 アーシュラ:優秀な成功! > 遺跡の主に命中! > 16ダメージ! > 荷物袋Bに命中! > 発火! > オイルに命中! > 発火! 裂帛の気合いを込めて、アーシュラは魔法の炎を放つ。 炎は膨れ上がり、亡霊と共に、その足元に転がっていたオイルの瓶、直前にアドナンが投じた荷物袋を包み込む。 おおおぉぉぉぉぉ アーシュラは先ほどよりも強い手応えを感じる。どうやら、亡霊を覆っていた青い炎は、彼を守る楯のような役目を持っていたようだ。今は青い炎は薄れ、それがため、魔力が直接伝わっているようだった。 次の瞬間だった。 ごう! 魔力の炎が消え去ろうとした時、一斉に別種の炎が舞い上がる。アドナンの荷物袋の中に入っていた幾つかの瓶と、転がっていた瓶が熱され、引火したのだった。ぼろ切れのように転がっていた毛布、天幕の切れ端などまでが、まるでその復讐をするかのように炎へ変じて、亡霊を襲っている。その中には、遺跡へ探索に入り、アンデッドへと成りはてた冒険者たちの荷物も含まれていた。 アーシュラは知らないことだったが、アドナンが荷物袋に入れておいた、幾種類もの、特殊な薬の効果もあっただろう。 炎は激しく、黒く赤くに燃え上がった。 炎 > 遺跡の主に命中! > 9ダメージ! 亡霊は悶え苦しんでいる。 収穫しようとしていた魔力の光を手放し、恐ろしい悲鳴を上げ続けている。 発動判定:ヒール > マリン マリン:成功! > HP10回復! ごう、ごう、と猛火が上がっている。 炎 > 遺跡の主に命中! > 12ダメージ! 炎から流れてくる、黒紫の煙が、もうもうとアーシュラたちの方へも流れてくる。吸い込むと危なそうな色だ。 |
マリン |
痛みと衝撃で意識が朦朧としている。何とか周りの状況に対処すべく意識を正常に保とうと努力する。残っている意識の欠片の中で、何とかヒールを唱えようとゆっくりと行動しようとする。 |
アドナン |
マリン< (庇われちまうとは) マリンに一瞬だけ視線を投げかけると、唇を噛む。 「すまんな、嬢ちゃん! 借りは返すぞ!」 アーシュラ< 「とことんまでやってやる!」 恐怖もはねとばし、アーシュラに応じる。 |
アーシュラ |
仲間の状況を確認する。 マリンはかなり深手のようだ。しかし、このままではだめだ。なんとか反撃せずばなるまい。 アドナン< 「ちくしょう、やられたぜ。こうなったら破れかぶれだ。おっさん反撃するよ。マリンはほっとけ。」 マナフレイムを亡霊に向かって発動させる。 |
GM |
「14フェイズ」 アーシュラは叫んだ。 ALL< 「やばいよ、やばい!みんな伏せるんだ。」 マリンと協力して、アドナンを無理やり地面に伏せさせる。 「13フェイズ」 マリンは、アーシュラと協力してアドナンを地面に伏せさせ、続いて自らも伏せる。 アドナンは二人に押さえつけられるような形で、無理矢理地面に伏せさせられる。出しかけていたランタン用のオイルの瓶が、からんからんと音を立てて転げ落ちていく。一つは足元に、もう一つはマリンの脇に、もう一つは亡霊の辺りに転がった。 「11フェイズ」 発動判定:分類/ウィンドカッター 遺跡の主:成功! > 全地形 > アーシュラに辛うじて命中! > 14ダメージ! > マリンに命中! > 背中と左脇腹に25ダメージ! > 朦朧! > アドナンに辛うじて命中! > 左肩に9ダメージ! 魔力が極限まで集中し、亡霊の複雑な身振りと共に解き放たれる。 青い輝きが鋭利な風を吹き放ち、すべてのものを巻き込んで荒れ狂う。 天幕の中に置かれていた様々な品が宙に舞い上げられ、ずたずたに引き裂かれ、細かい破片になって飛んでいく。天幕自身も、一度、二度、三度、と、瞬く間に無数の亀裂を付けられ、完全に千切られてしまう。 むろん、アーシュラたちもただでは済まなかった。 三人とも地面に伏せていて、周辺のものほどではなかったが、それでも負傷なしにいることはできなかった。 唸りをあげて飛ぶ見えない刃を、アーシュラは一撃、マリンは不運にも二撃とされる。ばすっ、ばすっ、と、布を棒きれで叩くような湿った音を立てて、二人の艶やかな肌が裂かれて、爆ぜた。アドナンも二人ほどではないが、小さな刃を受けて負傷する。 鮮血が飛び、渦巻く風に吹き散らされていった。 おおぉぉぉおぉぉおおん…… 魔術を終えた亡霊が怪しげな、声らしきものを立てる。 今、また、彼の身体を覆い隠していた青い炎が弱まっている。 |
GM |
行動値: アーシュラ24(17+2D6) マリン23(15-2D6) アドナン20(13+2D6) 遺跡の主15(13+2D6) 「24フェイズ」 アーシュラ:待機(3フェイズ刻みで状況認識) 「23フェイズ」 詠唱判定:分類/ジャベリン(9) マリン:4.08+1D4…8.08 8.08 2フェイズ後 「21フェイズ」 詠唱判定:分類/マナフレイム(9) アーシュラ:4.75+1D4…5.75 7.75 2+1フェイズ後 「20フェイズ」 物品準備:分類/荷物袋からの取り出し(オイル) アドナン:10フェイズ後 発動判定:分類/ジャベリン マリン:辛うじて成功! アーシュラの掛け声に呼応するようにジャベリンを再度亡者に向けて発動させる。 「神よ、穢れた魂の浄化にお力をお貸しください」 > 遺跡の主に命中! > 7ダメージ! 「18フェイズ」 発動判定:分類/マナフレイム アーシュラ:辛うじて成功! > 遺跡の主 > 完全な命中! > 11ダメージ! 「15フェイズ」 詠唱判定:ウィンドカッター(23) 遺跡の主:3.5+1D6…4.5 9.5 7.5 4.5 4フェイズ後 マリンが光の槍を放つが、先ほどのような強い輝きではなかった。遺跡の主は苦しみを見せるが、行動に遅滞は起きない。アーシュラの魔法の炎は、漸次、遺跡の主を包み込む。やがてそれは吹き払われ、亡霊は自らも魔法の詠唱を始めた。 アーシュラには察知できたが、かなりの魔力を必要とする、それも攻撃的な魔法のようだ。嫌な気配がぴりぴりとする。 アドナンは、アーシュラの言葉で我に返ったのか、何かを道具袋の中から取り出そうとしているようだ。 次回の行動は、以下の通りです。 それぞれ、行動の投稿をお願いします。 「14フェイズ」 アーシュラ 「13フェイズ」 マリン 「11フェイズ」 遺跡の主(発動) 「10フェイズ」 アドナン(物品) |
アーシュラ |
ALL< 「よし、こっちが押している。みんな、この調子で押していくよ。気を抜かないで!!」 アドナン< 「おっさん、正気に戻れ!一緒に戦おう!」 |
GM |
「お、おい、嬢ちゃんら……」 アドナンは狼狽しながらも、二人が戦意を維持しているのを見て、なんとか勇気を振り絞ろうとしているようだ。 行動値: アーシュラ22(17+2D6) マリン19(15-2D6) 遺跡の主17(13+2D6) 「22フェイズ」 アーシュラ:待機(3フェイズ刻みで状況認識) 「19フェイズ」 詠唱判定:分類/ジャベリン(9) マリン:4.08+1D4…8.08 5.08 2フェイズ後 「17フェイズ」 発動判定:分類/ジャベリン マリン:成功! > 遺跡の主に命中! > 15ダメージ! > 遺跡の主の行動をキャンセル! 詠唱判定:分類/マナフレイム(9) アーシュラ:4.75+1D4…5.75 7.75 2フェイズ後 「15フェイズ」 発動判定:分類/マナフレイム アーシュラ:優秀な成功! > 遺跡の主に命中! < レジスト! > 6ダメージ! 瞬く間に、幾つかのことが起きた。 まず、マリンが奇跡を呼ぶ祈りを捧げ、すぐさま、光り輝く槍を生み出して亡霊に投じた。 一拍遅れて何らかの行動を起こそうとした亡霊だったが、それより早く光の槍に打たれて、たたらを踏む。 そして最後に、アーシュラの呼び出した炎に包まれた。 ばり、ばりばり と、青色の稲光が宙に走る。 苦痛らしきものに身を震わせた亡霊が呼び出したものか、あるいは別の作用なのかは分からない。 亡霊の身を包んでいた青い炎は霧散し、周囲にまき散らしていた恐怖の気配も薄らいでいるようだ。 少なくとも今は、アドナンの金縛りが解けているように思える。 |
マリン |
アーシュラ< 「わかった。」 アドナン< 「アドナンさん、力を合わせてがんばりましょう。」 亡者に向けてジャベリンの詠唱を開始する。 |
アーシュラ |
だめだ、逃げ切れない。こうなったら一か八かの勝負に出るか。三人が力を合わせれば何とかなるかもしれない。 アドナン< 「おっさん、びびってんじゃないよ。まだ、あたし等がかなわないと決まったわけじゃないからね。これから亡者を攻撃するから、おっさんもさっきみたいにあたし等を支援してくれ。」 マリン< 「マリン、最初にあんたが攻撃して。あたしじゃ、また、術を解除されちまう。」 |
アドナン |
ALL< 「おい、嬢ちゃんら……」 顔全体にびっしりと汗を浮かばせながら、掠れた声でいう。 「もし、本当に、どうにもなんなくなったら。 おれを置いていっちまいな。 死にたくぁねえがよ。結局のところ自業自得だし、こんなに年下の女に守られるってのも、な……」 自嘲気味に笑った。 |
GM |
亡霊は三人を睨み付けている。 ディスペルマジックの魔術を行った時から、彼を包み込んでいた炎が弱まっている。アーシュラたちがじりじりと下がっている間に、再び、青い炎が膨れ上がった。 ごう 肌に冷気が突き刺ささる。 再び、亡霊はアドナンを指さした。 まるで最後通牒のようだ。 盗人を捧げよ |
マリン |
アーシュラと協力して、アドナンの反対側の腕をつかむと同じように後にさがっていく。亡者から目を離すのは今はとても危険な気がする。ひょっとすると亡者は遺跡の出口から離れられないかもしれない。そんな期待でも今は勇気づけられる。 |
アーシュラ |
何かの力でエクスプロージョンの発動が邪魔されてしまった。少なからず驚く。これでは一斉に後を向いて逃げるというわけにいかない。ぐずぐずしているアドナンの片腕を引っつかむと、一緒にじりじりと後にさがっていく。 |
GM |
亡霊は何かを察したらしい。 魔術の詠唱を始めるアーシュラに視線をやると、アドナンを指さしていた手を胸元にやり、こぶしを握りしめる。 ぽっかりと空いた眼窩の奥で、激怒の火が揺れている。 詠唱を始めたアーシュラと同じく、亡霊の周囲にも青白い魔力の光が集束していく。 行動値: アーシュラ21(17+2D6) 遺跡の主20(13+2D6) 「21フェイズ」 詠唱判定:分類/エクスプロージョン(20) アーシュラ:4.75+1D4…9.75 7.75 7.75 3フェイズ後 「20フェイズ」 詠唱判定:分類/ディスペルマジック(5) 遺跡の主:3.5+1D6…9.5 1フェイズ後 「19フェイズ」 発動判定:分類/ディスペルマジック > アーシュラ(エクスプロージョン) 遺跡の主:優秀な成功! 「ディスペル」 > エクスプロージョン アーシュラの魔法の完成よりも早く、亡霊の魔力が形になる。稲妻のような輝きがアーシュラの魔術を貫く。アーシュラはかなりの精度で魔術を操ったが、亡霊の力はそれを飲み込み、粉々に打ち砕いた。 エクスプロージョンの詠唱は、完成直前で分解された。 |
アドナン |
マリン< 「な、何……?」 蒼白の顔に汗をしたたらせ、亡霊を凝視している。完全に意識を奪われており、マリンに聞き返す声も虚ろだ。 |
アーシュラ |
アドナン< 「おっさん、逃げる準備だよ。このままだと、あの亡者に取り殺されるね。あたしが魔法を打ったら一斉に逃げるからね。」 亡者の動きを牽制するためにエクスプロージョンの魔法を唱える。 |
マリン |
亡者から目を離さずに後の二人に話しかける。 アーシュラ&アドナン< 「どうやらアドナンさんを所望のようです。ここは逃げた方が良いみたいです。」 亡者の前からジリジリと後退して逃げる準備をする。 |
亡霊 |
マリン< ……。 ……。 亡霊は何の反応も示さない。 ただ、虚ろな気配をまき散らしながら、ぼんやりと光る眼差しをアドナンにやる。 そして、マリンに視線を戻す。 やおら、 がっ。 真っ青な炎が吹き上がり、亡霊を包み込む。 マリンは冷たい怒りの気配を感じた。 盗人を捧げよ 燃え上がる炎に包まれながら、亡霊はアドナンを指さし、マリンに命じる。 |
マリン |
アーシュラ< 「ここまで私たちを追いかけてきたということでしょうね。何か意図するところがあるのかもしれません。コミュニケート出来るかどうか試してみます。援護よろしく、何かあったら直ぐに逃げますから」 アドナン< 「アドナンさん、下がって何時でも逃げられるようにしてください。」 一歩前に踏み出して、亡者との会話を試みる。緊張しつつ亡者に礼儀正しい言葉使いで話しかける。 「以前にお会いした方でしょうか?私たちに何か用件でもおありですか?」 亡者の反応を待つ。 |
アーシュラ |
「なーっ、こいつ、こんなとこに出てきやがって!」 驚き叫ぶ。 アーシュラの咄嗟の選択肢としては、戦うか、あるいは逃げるかであるが、もう一つ別の選択肢としてマリンに任せるというのもある。亡者の姿から目を離さないようにしながらマリンの様子を窺う。 マリン< 「どうするよ?やっつけるか、それとも逃げちまうか・・・」 |
GM |
二人がアドナンを伴い、天幕を抜け出ようとした、その時だった。 ごう。 音のない風が、三人が出てきた穴の奥から轟き、凄まじい勢いで吹き上がってくる。 その風は黒い霧のような色をしており、死臭と黴のおぞましい匂いをさせている。 突風が吹き荒れ、天幕を引きちぎり、はねとばす。夕暮れに包まれた岩地の景色が露わになる。 風が止む。 そして、遺跡への入り口があるその場所に、あの青白い影があった。地上より1フィートばかりの空中に、瘴気をまとわりつかせた、あの亡者の姿だ。 虚ろな瞳で、三人を睨み付けている。 |
マリン |
ALL< 「もう夕方なのですかね。暗くなれば移動出来なくなりますので一刻も早くここを離れましょう。」 同じく、天幕から出ることにする。 |
アーシュラ |
ALL< 「早く、このやばい場所から離れようよ。」 天幕の外に出て行こうとする。 |
GM |
三人は更に坂道を登っていく。 穴を抜けて、天幕の中まであがってきた。 ようやく、外に出てきたのだ。 よく見れば、外の光は朱色をしていた。 いつの間にか、夕方にでもなっていたのだろうか。 |
アドナン |
アーシュラ< 「おう! ここまで来て、後ろから何かに追いかけられたりしたら堪らん」 |
アーシュラ |
ALL< 「よし!外に出れるぞ。早く出よ、早く!」 他の二人を後から追い立てるようにして出口へと急ぐ。この遺跡から一刻も早く出たい気持ちでいっぱいだ。 |
マリン |
今度は手を引いているアドナンは大丈夫そうだ。後は光に満ちた出口に向かって進むだけだ。 |
GM |
三人は、(あるものは恐る恐るとしながら)坂道を登っていった。 ………。 今度は何事もなく、例の場所をくぐり抜けた。 確かに、アドナンを縛っていた障害は、どこかへ消え去っているようだ。 |
アドナン |
アーシュラ< 「いや、なんだ。持って行けたとしてもお前さんにはやらんが……」 苦笑いしながら指摘する。 マリン< 「そうか……あんたはどうも専門家らしいからな。仕方ねぇか。奴のことは、直接、口で伝えることにするさ」 振り返り、指輪を見つめ、 「あばよ」 と呟く。 |
アーシュラ |
マリン< 「ええ!指輪を捨てちゃうの?もったいないよ、ジルコニアだよ、ジルコニア!」 とは言え、マリンが霊障があると毅然として言っているし、自分にはどうしようもならない。 「解呪の呪文とか持ってないの?」 未練たらしくぶつぶつと不平を言い続けている。 やがて、仕方なくマリンたちの後をついて遺跡の出口に向かう。 |
マリン |
ALL< 「この指輪は問題ありですね。何か霊障を感じます。ここに置いていくことにしましょう。」 アドナン< 「アドナンさん、ウィードさんの奥さんには申し訳ないですけど指輪はここに置いていきます。これで、もう呪われないと思いますので、思い切って外に出てみましょう。」 指輪をゆっくりと地面に置くと、アドナンの手を引いて遺跡の出口に向かうことにする。 |
GM |
神聖判定:分類/物体 > 指輪 アーシュラ:技能無し 失敗 マリン:成功! マリンは、掌に載せた指輪から、冷たい気配を感じる。 明らかに、この宝飾品は、何か悪意のある霊気を帯びている。指輪の触れている部分から、ぴりぴりとしたものが伝わっているようだ。 知力判定:分類/目利き・宝飾品(指輪) > 指輪 アーシュラ:近似技能 成功! マリン:技能無し 失敗! ここは、細工の技を持つアーシュラが詳しい。 これは、なかなか見事な彫金の技で作られた、銀に別の金属を混ぜた合金でできた指輪だ。 煤で薄汚くなってしまっているために、直接手で触れているわけではないアーシュラには、あしらわれた宝石についてはよく分からなかった。 魔法判定:分類/アナライズ > 指輪 アーシュラ:成功! アーシュラは鑑定の魔法を唱えた。魔力によって魔法が分解され、その組成一つ一つが、アーシュラの意識内に染み通っていく。 ……この指輪は、そこそこ純粋な銀に対して、大体10%の銅を加えた合金でできている。 以前はほぼ完全な円となっていて、装飾も細やかだった。よっぽど手先の器用な職人に作られた物に違いない。ただし、今はアーシュラの放った魔法の炎によって溶けてしまったため、やや変形している。 宝石はジルコニアと呼ばれる鉱物だ。温度に対して非常に強い耐性を持つため、変形や破損には到っていない。 |
アーシュラ |
アドナンが所持していた古い指輪を見て、今までの恐怖が興味に変わった。元々、お宝好きの性格ゆえに指輪に興味津々である。顔を近づけて指輪の値踏みをする。 マリン< 「あのさ、ひょっとしたら価値ある物かもしんないよ。あたし鑑定するから、鑑定!いいだろう。」 そういうとマリンの手のひらの指輪に対してアナライズの魔法を唱えた。 |
マリン |
アドナン< 「えっ!? ウィードさんの指輪ですか。ちょっと調べてみましょう。」 アドナンから古い指輪を受け取ると大事そうに両手のひらの上に乗せて仔細に観察する。 |
アドナン |
マリンの言葉を聞いて、アーシュラと同様に蒼白になる。 アーシュラ< 「いや、俺ぁ」 引きつった顔で、アーシュラを見る。 「あまり、嬉しくねぇ、というか、可能な限り避けたい」 それから、頭を振る。 「だが、呪いを解くにはそれしかねぇってんなら……」 動揺した様子で、髪を掻きむしる。 それから、はたと、動きを止める。 「ちょっと待て――」 呟くと、慌てて懐を探り出す。 ALL< しばらくして何かを見つけ出し、掌に載せて二人に見せる。 古い指輪で、アメジストをあしらってある。全体的に煤にまみれていて、薄汚れて見える。 「遺跡のもんは何も拾っちゃいねぇのは確かだよ。 こいつは、ウィードの奴が持っていた指輪だ。あいつにゃ、確かカミさんがいてな、あんまり家族のことまで関わり合うような間柄じゃなかったが、一緒に飲んだときに見せられて、覚えてたんだ。 あんたらが寝てる間に、カミさんに渡してやろうとウィードの死体の残骸から預かったんだが……。 こいつが呪われちまっているっていう、可能性はあるかい?」 と、マリンに差し出した。 |
アーシュラ |
マリンが碑文の部屋に行くと言い出した。 マリン< 「マジかよ!何か他に手はないのかよ。」 碑文の部屋って言うと、あの強烈な霊体に圧倒されたところだ。圧倒されたおかげで意気阻喪して一時探索を断念しかかったのに、またあそこに行くのかよ。緊張と恐怖の感情がまざった表情で凍りついたまま数秒が過ぎる。くそっ、呪いを解くには他にどうしようもないのか。 アドナン< 「おっ、おっさんはどう思う?」 |
マリン |
アドナンの言ったことを考えてみる。宝石が嵌っていた像に触れたのならば、そのあたりに呪いの原因がある可能性が高い。確か、あの像には判読出来ない碑文が書いてあって、その近くに呪術的な紋様も描かれていたが、ひょっとするとそれが原因で・・・ ALL< 「碑文のあった部屋に行きましょう。あそこに行って呪いの原因を取り除くしかありません。」 そういって、アーシュラとアドナンの顔を順番に見る。 |
GM |
マリンは、特に周囲に嫌な物を発見することはできなかった。 ターンアンデッドの奇跡を願ってもみたが、特にこの場所自体に亡者がいるようなことはないらしく、そもそも、浄化の光すら現れなかった。 ターンアンデッドは、信徒にとって明確になっている対象に、救済の光を与える奇跡だからだ。誰もいないのでは、奇跡は呼び起こされない。 |
アドナン |
通路を遺跡の方に戻っていくと、状態を取り戻す。 汗を拭って、一息をついた。 アーシュラ< 「ああ、くそ、期待しちゃいなかったが、やっぱ駄目か。 ありがとよ、嬢ちゃん。 ……呪いの心当たりか。 そりゃ、あるな。 例の宝石がはまってたっていう像に触れた。それが呪いの元だってんならそうかも知れねえし……何より、ハンスの奴が宝石をほじくり返しちまったからな。一緒にいたおれもまとめて呪われてたっていわれても、驚きゃしねえ。 あんたらは、特に宝に手を出したわけじゃねえからな。それが原因かもな」 |
マリン |
アーシュラと一緒にアドナンを連れ戻す。彼にとって、気持ちの悪い壁らしきものが存在するのは確かなようだ。辺りに変わったものやへんな痕跡がないかどうか注意深く観察する。ひょっとすると呪いを発している物体が側にあるかもしれない。一通り見渡してみて、さらにターンアンデットを唱えてみる。何か反応するかもしれない。 |
アーシュラ |
アドナンの様子を一瞥する。確かに苦しそうだ。 アドナン< 「置いてけと言われてもねぇ。はい、分かりましたとはちょっと言えないね。」 首を振りながらアドナンの所に引き返す。 マリン< 「おっさんを抱えて、少し戻るよ。」 マリンと一緒になって、アドナンを嫌な感触がした見えない壁の手前まで引き戻す。 アドナン< 「どう?もう苦しくない? へぇ、あたしに呪いがかかっていないのは少し意外だったね。おっさん、何か呪いの原因に心当たりないの? あたしにかかっていないんだから、おっさん固有の事情だね。あたしとマリンの知らない何かに触れたとか、何か得体の知れないもの持ってるとか、誰かに何か言われたとかさ、ないの?」 |
GM |
「分かった」 アドナンはアーシュラに向かって頷きかけ、あとに続いていく。 三人は、入ってくるときに使った、隧道の急勾配の坂道をあがっていく。上の方から、外の明かりが漏れてくる。外は確か簡単な天幕が張ってあったはずだが、天幕の生地越しにも明るさを感じられるほど、ここが暗いということだろう。 慎重に登っていき、あと少しで、出口に行き当たる。 そこで、まずはマリンが、次いでアーシュラも、ざわりとした感覚を得る。 次の瞬間、アドナンがうめき声を上げ、歩いている体勢そのままに、動きを凍り付かせる。まるで何かに縛られているかのように、わずかに身体を震わせながら、脂汗を流し始めた。 「ぐ、く――足が、動けん、進めねぇ……さっきと、同じだ」 アドナンは唇を痙攣させながら、なんとか言葉を漏らす。 アーシュラ、マリンには何の異変も起きない。 「やっぱ、呪いか……く、くそ、いいぜ、あんたら、置いていっても、恨みやしねぇ」 |
マリン |
後を振り返り、アドナンがついて来ているのを再確認すると、アーシュラの後に続いて遺跡の出口に向かって歩き始める。 |
アーシュラ |
ALL< 「さてと、ここらへんから呪いが始まるのかな?」 マリン< 「何か気づいたら知らせてよね。あたし達よりマリンの方が分かるんでしょう? 亡霊たちの雰囲気。」 アドナン< 「おっさんも体に変調を感じたら直ぐ教えて、もっとも、あたしも感じるかもしれないけど。」 苦笑する。 遺跡の出口に向かって歩みを進める。 |
GM |
発動判定:分類/ヒール > アーシュラ マリン:成功! > 14回復! 三人は通路を歩いて、侵入に使った、例の横穴のあたりまでやってきた。ひょうひょうと、出口に向けて風が吹き抜けていく。 |
GM |
行動値: アーシュラ24(17+2D6) マリン20(15+2D6) アドナン21(13+2D6) 亡霊たちはおののき、その場から動くことができないようだ。 その間に、アーシュラはマリンの元まで後退しようと移動を開始する。 「分かった!」 アドナンはマリンに応えると、一瞬だけ考え、荷物袋から、ランタンに使うためのオイルが入った瓶を、まとめて三つばかり取り出しにかかる。 詠唱判定:分類/ジャベリン(9) マリン:4.08+1D4…6.08 5.08 2フェイズ マリンは再び精神を集中し、聖なる投げ槍の奇跡を呼び起こそうと祈る。 発動判定:分類/ジャベリン > 亡霊(B) マリン:完全な成功! > 命中! > 34ダメージ! > 撃破! 祈りは完全に成功し、確かな手応えと共に、眩く槍が現れる。それは非常な輝きを引いて飛び、まっすぐに亡霊(B)を撃ち貫く。そして、悲鳴を上げる余裕さえ与えずに、一瞬で消滅させる。 アーシュラがマリンの元に辿り着く。 アドナンはマリンの神術の威力見ると、三本取り出したオイルの瓶を、一本だけ構え、アーシュラたちと亡霊(C)を結ぶ地点に投じる。 乾いた音を立てて瓶が割れ、勢いよくオイルが飛び散る。 詠唱判定:分類/マナフレイム(9) アーシュラ:4.75+1D4…7.75 8.75 2フェイズ アーシュラがマナフレイムの詠唱に入る。 動きの止まっていた亡霊(C)が、再び移動を開始する。マリンとアーシュラに向けて腕を伸ばし、中を音もなく滑り出す。 アドナンはオイルの瓶を荷物袋に落とすと、「火よ!」叫びながら、音高く指を鳴らした。 小魔法によって生み出された火花が、地面に広がっていたオイルに火を着け、燃え上がる。 丈の無い、わずかな幅の炎の防壁ではあったが、この暗闇の中では目もくらむほどの光だった。亡霊はたじろぎ、顔を手で覆う。 そこで、アーシュラの魔術が完成する。 発動判定:分類/マナフレイム > 亡霊A アーシュラ:成功! 「よくもやったな、お返しだ!」 > 命中! > 15ダメージ! > 撃破! 虚ろな声を上げて、亡霊が焼き尽くされていく。 はらりと、薄布が散るようにして姿が闇の中に溶けていく。 広間から、冷たい気配が消えていく。 あとには、ちらちらとオイルが燃えているだけであったが、それも、程なく小さくなり、燃え尽きる。 この部屋に静寂が戻ってきた。 【戦闘終了】 アーシュラ: HP38/49 MP38/68 マリン: HP51/51 MP62/78 |
マリン |
アーシュラ< 「アーシュ!大丈夫? こっちへ戻ってきて」 アドナン< 「アドナンさん、お願い。ランタンの火でアーシュラを守って!」 |
アーシュラ |
「あ゛〜あ゛、さぶいし、気持ち悪い。」 その場にしゃがみ込みたくなるのをぐっと我慢する。まだ、まだ、戦いを継続する意思はしっかりしているが、とにかく、こいつらから離れなければ・・。そう思いマリンの場所まで必死の思いであとじさりしていく。 |
GM |
行動値: アーシュラ26(17+2D6) マリン21(15+2D6) アドナン20(13+2D6) アーシュラは少し後へ下がると、再び詠唱を始めた。 今度は、先刻も亡霊に有効な打撃を与えることのできた、“魔法の火炎”の魔術だ。 詠唱判定:分類/マナフレイム(9) アーシュラ:4.75+1D4…5.75 6.75 2フェイズ 標的は、マリンの神術によって動きの鈍った亡霊(A)だった。今も、彼は身を震わせながら佇んでいる。 その横を、他の二体がすり抜け、アーシュラへ向かって突き進んでいく。 動きは、意外にも素早い。 詠唱が完成すると、アーシュラは無言のままに魔法を打ち出した。 発動判定:分類/マナフレイム > 亡霊A アーシュラ:成功! > 命中! > 14ダメージ! > 撃破! 魔力が周辺から呼び起こされる。それはアーシュラの技によって賦活され、青白く、強く発光しながら集束していく。 徐々に、しかし勢いよく集まった魔力は、急速的に深紅に染まり、現実と夢想の世界に同時に存在する、灼熱の炎と変じて燃え上がった。 炎は完全に亡霊(A)を捉えた。 亡霊は悲鳴を上げるように大きく口を開き、身悶えしながら消滅していく。その身を構成していた生者の妄念や、変性した魔力を砕かれ、現世に存在できなくなったのだろう。 存在を拡散させていく。 焼かれていく仲間を後ろに、一体の亡霊(B)がより速度を増して、アーシュラに肉薄していく。 詠唱判定:分類/ターンアンデッド(15) マリン:4.08+1D4…5.08 5.08 8.08 2フェイズ 亡霊(B)がアーシュラと接触するのとほぼ同時に、マリンが神術の祈りを開始する。 それに続いて、マリンの指示を受けたアドナンが後退する。 回避判定:分類/完全回避 > 亡霊B:「冷たい抱擁」 アーシュラ:失敗! < 11ダメージ! < MPに8ダメージ! 両腕を伸ばして飛びついてくる亡霊を、アーシュラは躱しきれない。アドナンのランタンの薄明かりに照らされ、ぞっとするほど青い影の色をした亡霊が、彼女を全身に包み込む。 瞬間、肌が凍り付くのではないかというほどの冷たさが、亡霊に触れられている場所から、魂の奥底まで侵入してくる。 もう一体の亡霊(C)が、続いてアーシュラに掴みかかろうとする。 発動判定:分類/ターンアンデッド マリン:優秀な成功! > 亡霊Bに命中! > 6ダメージ! > 「恐怖Lv.2」 > 亡霊Cに命中! > 1ダメージ! > 「束縛Lv.1」 そこで、マリンが再び、聖なる光を放つ。 亡霊(B)は絶叫をしながら、アーシュラから身をもぎ離し、光から少しでも身を隠そうと、身を縮めながら両腕で身を庇う。亡霊(C)は光によって存在を圧迫されてしまい、襲いかかろうとした体勢のままで身体を引きつらせ、凍り付いてしまった。 【2ターン目終了】 アーシュラ: HP38/49 MP43/68 マリン: HP51/51 MP67/78 |
マリン |
アドナン< 「アドナンさん、少し下がって」 |
アーシュラ |
「ちっ」 エクスプロージョンの効果が薄かったため軽く舌打ちする。次からはマナフレイムの攻撃に切り替えるしかない。 |
GM |
行動値: アーシュラ28(17+2D6) マリン23(15+2D6) アドナン20(13+2D6) 真っ先にアーシュラが動き出し、右手に向かって進む。少しおくれてマリンが、その更に後にアドナンが続く。 亡霊たち三体は、マリンの放った光によって惑わされており、まだ動けない。 立ち止まると、アーシュラはすぐさま、詠唱を開始する。 詠唱判定:分類/エクスプロージョン(13/20) アーシュラ:4.75+1D4…6.75 7.75 2フェイズ 詠唱が完成したときにも、まだ、マリンは彼女の位置まで到着しておらず、亡霊たちも動き出していない。 発動判定:分類/エクスプロージョン アーシュラ:成功! > 亡霊Aに命中! > 2ダメージ! > 「恐怖:Lv.1」! 炎が膨れ上がり、亡霊を包み込む。 ――熱気の奔流が幾度もその身体を撫でるが、亡霊にはほとんど影響を与えないようだ。先ほどの亡霊との戦いでは「マナフレイム」は効果を与えたのだが。物理的な炎では、損傷を与えることはできないのかも知れない。 ただ、炎そのものは恐れるらしく、ひどく狼狽した様子だった。 遅れて、マリンが詠唱を開始する。 詠唱判定:分類/ジャベリン(9) マリン:4.08+1D4…8.08 6.08 2フェイズ 彼女が精神の集中を始めてから数瞬、ターンアンデッドの洗礼を受けていた亡霊たちが我に返り、アーシュラたちの方へと腕をのばし、掴みかかろうとやってき始める。 発動判定:分類/ジャベリン マリン:成功! > 亡霊Aに命中! > 24ダメージ! > 「朦朧」! そこへ、マリンの神術が奇跡の力を導いた。 聖なる光が、闇を切り裂き、一体の亡霊の身体を貫いていく。 凄まじい悲鳴が広間に響き渡った。 亡霊の輪郭が揺らぎ、その存在が半ば崩壊しかかっているのが分かる。 後に追いついてきたアドナンが、一歩遅れてアーシュラに叫んだ。 「奴らは俺たちとは違う――別の肉体を持ってやがるんだ! 神の力とやらを与えられた人間がぶん殴るか、今もそこの姉ちゃんがやったような力か、あるいは、魔力そのもので攻撃する魔法でやるしか、ろくな痛手は与えられねぇ!」 いうと、手にしたランタンを高く掲げる。 「火には、怯えるがね」 |
アーシュラ |
敵三体の位置状況が把握できたので、敵に取り囲まれないように前方二体の敵の左側に距離を取りながら回り込んでいくことにします。敵に取り囲まれないように常に左側に距離を取りながら回り込み移動を行います。 ALL< 「各個に撃破していくよ。あたしの後についてきて!」 |
GM |
アーシュラ: HP49/49 MP68/68 マリン: HP51/51 MP78/78 発動判定:分類/神術・ターンアンデッド マリン:優秀な成功! 祈りと共に、マリンを中心に、清らかな光が波紋を広げていく。暗く沈み込んだ部屋を、一瞬だけ柔らかな明かりが照らし出す。 鈍く、呻るような声が発せられる。 闇の中に隠れていた不浄なものどもの姿が、その刹那だけさらけ出された。 前方に二体、右方に一体。半透明の肉体を持つ死者が、苦悶に顔をゆがめている。 今にも飛びかかろうとしていたかのようだ。何かを求めるように、かれらの方へ両手を伸ばした体勢でいる。 |
アドナン |
ALL< 「ああっ、くそ……」 青ざめながら、頷きを返す。 「あの亡霊の顔が頭に浮かびやがる。お嬢ちゃんらがどう思おうが構わんがね、おれは、本来、こんなに臆病じゃないはずなんだ」 マリン< 「悪いが、そうさせてもらうぜ。あんた、ハンスみてえな能力の持ち主なんだな? だったら、あんたの傍が一番、安全なんだろうからな」 アーシュラ< 「こっからでよけりゃな、援護させてもらうぜ。俺ぁ、戦いの魔術師じゃねぇから、ろくなことはできねぇけどな」 手に持ったランタンを高く掲げて、皆の視界をなるべく広く確保しようと努める。 |
アーシュラ |
マリンに呼び止められうしろを振り向く。マリンのようには、はっきりと感じられないが事態が切迫していることは理解できる。マリンに頷き返すと臨戦態勢になる。 アドナン< 「おっさん、覚悟はいいかい? 生き残りたかったら気をぬくんじゃないよ。生者だろうと亡者だろうと気力にまさった方が勝つのさ。」 進行方向に向き直るとマリンの呪文詠唱の効果を待って、前方の闇に意識を集中する。視認できる対象が出てきたら直ぐにエクスプロージェンをぶちかますつもりだ。 「ではショータイムといくか」 |
マリン |
辺りの異様な雰囲気に緊張が極限に達する。 「ふうーっ」思わず大きなため息をつく。 ALL< 「皆さん、ストップ!」改めてまわりの闇を探るように見回す。 「まわりは何処もかしこも異様な気配で満ちています。気配のヌシがやって来る前に、こちらから先手を打とうと思います。宜しいですか?」 こちらを向いたアーシュラに軽く頷き、アドナンには自分の後にぴったりと寄り添うように手招きをする。アドナンに勇気づけるように話しかける。 アドナン< 「わたしから離れないでくださいね。大丈夫です。大丈夫・・・。」 おそらく、自分の気持ちも静めようとしている。 そして、少しうつむき加減になるとターンアンデットの呪文を詠唱した。 「神よ、穢れ荒ぶる魂を清めたまえ。」 |
GM |
一行は、部屋の中心部までやってくる。 アーシュラとアドナン、二人の持つ明かりが、広間の中に深く降りている闇の帳を、僅かにでも打ち破ろうとしている。 風が動き、腐った匂いにも似た不愉快な気配が鼻に突き刺さってくる。 ひょう、ひょう、と、屋内であるにもかかわらず、明らかに肌に感じられるほど、空気が動いている。 マリンは、嫌な気配をより強く感じた。 敵意は自分には向けられていない。マリンはそれを認識する。その対象は彼女ではない、別のどちらか、あるいはどちらもだ。 |
アドナン |
アーシュラ< 「生者より亡者の方が強いっつうことがままあるからおびえてるんだがね、ま、どうでもいいことだがよ」 ぶつくさと言いながらついて行く。 「ま、別段、構うこたぁねえか。どのみち、止まっていたって飢え死にしちまうか、呪印を破られて殺されちまうだけなんだしな」 マリン< 「了解だ」 |
マリン |
アドナン< 「アドナンさん、大丈夫、大丈夫、私たちのあとをしっかりついて来てくださいね。」 アーシュラに引き続き広間の中に足を踏み入れる。アーシュラに言われた通り前だけでなく後方にも注意して進む。 ALL< 「またぞろ嫌な気配を感じます。亡者を見つけたら直ぐに場所を知らせますので、なるべく私から離れないでください。」 頻繁に前後左右を確認しながら、アーシュラのあとを歩きつづける。 |
アーシュラ |
アドナン< 「おっさん、はなからしょぼくれたこと言ってんじゃないよ。生者より死んでいる亡者が強いなんてあるわけないだろ。元気出しなよ。」 さてと、前に通った広間か。確か、目印のバッテンを壁につけていたはず。目印の位置まで壁沿いに広間を進むことにする。 ALL< 「前につけた目印の所まで進むからね。マリン、前だけじゃなくて後の方も気をつけてよ。」 壁沿いに歩き目印を探す。目印を確認できたら後を振り向き仲間に指示する。 「ここから右に90度曲がるよ。」 (目印が刻まれたのはB〜C間の壁にありますので、部屋の中央に移動するなら、左ではなく右になります。そのため、ここではこちらの判断で右に修正致しました。何か問題がありましたらお知らせくださいませ) そういうと広間の中央部へ、先ほど動く死体が破壊した扉の方向と思われる場所へ歩みを進める。 |
GM |
アーシュラたちは、アドナンが記した紋様の上をまたぎ、通路の中へと入っていく。途端、ひゅおっ、と、冷たい風が走り抜けていくのを感じる。 「やっぱり、俺ぁ、奴らに怒られてるな。守りの呪印から出た途端に、寒気がしやがる」 アドナンが情けなさそうな声を漏らす。 何事もなく通路を進み、やがて、かれらはあの四角い広間に戻ってきた。 あたりに嫌な気配が染み込んでいるのを、マリンは敏感に嗅ぎ取る。たんに、広い空間が感じさせる虚ろな気配がするだけではない。ここには、もっと、生き物に対して不愉快なものがうろついているのだ。 |
アドナン |
アーシュラ< 「別段、亡者が出口で踏ん張ってたりする訳じゃあねえが……、まあ、行ってみりゃ分かるか」 マリン< 「あんまり戦いたいもんじゃあねえが……まあ、やってみるか。仕方ないことだな」 アーシュラ< 「分かった。いいや、そうだな。ちょっと待ってろ」 言うと、青い光を散らす魔法の水晶に手をかざし、ふいと、草花を手折るような仕草をする。 まるでその手で握りつぶされたように、音もなく、水晶が消え去る。細かな光の残滓が、きらきらと闇の中に溶けていった。 それから、アドナンは、闇の中で荷物を探り出した。 そして取り出したのは、音からすると、金属製のものだ。 そこで、ぱちん、と、指を鳴らす。 今度は、火が、あたりを照らし出す。 アドナンが取り出していたのはランタンだったようだ。 「こいつの方がいいだろ。不測の事態に備えてな。 さて、それじゃあ、いくかね」 |
マリン |
アドナン< 「そうですとも、アドナンさん。三人で力を合わせれば切り抜けられます。亡者と戦いましょう。」 アドナンを励ますように頷くとアーシュラの後に続いて歩き始める。 |
アーシュラ |
お宝目当てじゃないと言ったら嘘になる。ひょっとしたら自分も呪われているかもしれない。そんな考えに怖気づくが強気の姿勢は崩さない。 アドナン< 「亡者をやっつければ、そんな痺れなんかなくなるさ。邪魔している亡者どもをね。あたしたちに任せな。」 ALL< 「さて、それじゃ遺跡の出口に向かって出発するよ。準備してくれ。 あたしが先頭、マリンが真ん中、おっさんが一番後ろからついて来てくれ。 おっさんも、後からライトよろしくな。」 必要なことを全てしゃべるとライトを唱えて部屋の出口に向かう。遺跡の出口目指して来た道を戻ることにする。 |
アドナン |
アーシュラ< 「それが可能なら、俺がこうやって野垂れ死にそうになってる理由がないだろ?」 マリン< 「ああ、こりゃ悪いな。遠慮なく頂いとく。 そうさな、問題があるっていやぁ、問題があるな。まあ、そうか。あんたらがこの遺跡を出ようと試みたことがなけりゃ、知ってるはずもないか」 ALL< 「もちろん、俺は、この遺跡に入るときに作った、あの穴を通って戻ろうとしたんだ。だがな、出口を通ろうとしたところで、急に、不思議な痺れが体中に走りやがる。 えらい不愉快な痺れで、今まで味わったこともないくらい苦しいときた。痛いんだぜ、これがまた。 あたりからは、亡者どもの嫌な気配もしやがる。 どうやら、呪われちまったみたいなんだな。 ここの亡霊どもが許してくれない限り――許すなんてことがありうるならな――ここから出ることは出来ないんだろうよ。 ……んん? ああ、そうか。 もしかしたら、あんたらは大丈夫かもな。 俺たちは明らかに盗掘者だし、宝物にも手を付けちまったから無理だろうが、あんたらは別に、宝物を手に入れようとかっていう意図を持って入ってきたんじゃねえだろ? だったら、俺を置いていきゃあ、出られるかも知れねえな」 渋い顔をして告げる。 |
マリン |
アーシュラ< 「まあ、まあ、そう言わずにアドナンさんの言うことも聞きましょうよ。」 アドナン< 「どうぞ、お座りになって、簡単なものですけど食べてください。」 ひとしきりアドナンの食事が進むのを待って質問する。 「遺跡の外に簡単に出れるかどうかとは、それは何か私たちが知らない問題があるということですか?」 答えを静かに待ちながらアドナンの顔を見る。 |
アーシュラ |
アドナン< 「へっ?・・・どうやって出るって、ここに来た道をただ引き返せばいいんだろ?」 つまらない、大して重要なことじゃないとばかり、食べ物をちぎって空中に放り上げると口で直接受け取る。 |
アドナン |
アーシュラ< 「その依頼人の前で、随分、言うねぇ、あんた」 チンケな謝礼とか言われたことに、半眼になって抗議する。 「別にいいけどよ」 肩をすくめる。 「とりあえずは質問に答えておこうか。 ハンスが逃げた方向についちゃ、よく分からん。実際、この遺跡は真っ暗だし、慌てて逃げるときにゃ、周囲なんてよく見ないもんだ。 で、ハンスの技についてだが、奴は優秀な神官でな。匠の神に仕える使徒なんだそうだ。ああいった連中は、亡者には滅法強いんだな。たんに武器で斬り付けただけでも、俺たちがやるよりもかなり効く。しかもあいつは、神に祝福されたとかいう剣も持っていて、ちょっとやそっとの亡者には負けねえときた。 だから、見つからないんじゃなくて、追撃を追っ払ってるんだろうよ……あるいは、どっかから脱出したのかもしれねえがね」 ALL< 「ところで、あんたら、遺跡の外に簡単に出られるつもりでいるようだが、どうやって出るつもりなんだ?」 |
アーシュラ |
目が覚めて大きく背伸びをする。 マリンが食事の用意をしてくれている。 適当に座ると、食べながらマリンとこれからのことを話し始める。 食べながら少し考え込んでいたが、 マリン< 「アドナンのおっさんを遺跡の外に連れ出したとして、大した謝礼はもらえそうもないねぇ。 ここまでがんばってチンケな謝礼じゃ、間尺にあわないよ、まったく。」 アドナンを一瞥する。再びマリンに向き直って、 「やっぱり、リーダのハンスが一番お宝を持っていそうだから、ハンスも助けてみる? それだけ危険を冒す価値があるかもしれない。」 アドナン< 「あんたの依頼は受けたよ。あんたを遺跡の外に連れ出すことにする。 それとは別に、あたしらはハンスも見つけて連れ出したい。 あんたを外につれだすついでに、ちょっと寄り道してハンスを助けても良いし、あんたを遺跡のそとに連れ出したあとに再びもぐってハンスを探しても良い。 どっちにするか判断したいので少しハンスのことを教えてよ。 それで、ハンスはどっちの方に逃げているかわかる? それと、ハンスの持っているちょっとした技って何さ? 何で亡霊どもに見つからないのかな? ハンスを見つけるための参考にしたいので教えてくんない?」 |
マリン |
十分の休息の後でスキっとした感じで目が覚める。 これからやらねばならないことを一つ一つ思い起こしながら、先ず神への祈りで活動を始めることにする。 向こう側の壁際まで歩いて行きひざまずくと頭をたれて静かに祈りをささげる。 邪悪な亡霊に対抗すべく、恩賜を賜るようお願いしているのだ。 祈り終わるとギルドから支給された食料を並べて食事の準備を行う。 少ない食料であるが、アーシュラとアドナンの分も含めて三人分用意する。 次にアーシュラとアドナンを起こすと自分は食事の前に座って皆がやってくるのを待つ。 やってきたアーシュラに話しかける。 アーシュラ< 「これからどうしましょうか?」 先ずアドナンさんを遺跡の外に連れ出すことにする?」 |
GM |
何事も起こらず、時間が過ぎていく。 周囲は常時、死んだように静まりかえっており、生き物の立てる音は何もしない。 町の中であろうと、荒野の真ん中であろうと、ここまで静寂に支配されている場所などは、他にはないだろうと思われた。 密やかに時は流れていく。 アーシュラ: HP49/49 MP68/68 マリン: HP51/51 MP78/78 大体、九時間ばかりも寝たろうか。 二人の気力もすっかりと回復したはずである。 起きた頃には、空腹を感じているのは間違いない。 |
アドナン |
アーシュラ< 「俺も疲れてるんだけどな……。まあ、いいさ」 寝てろ、と、手を振ってみせる。 マリン< 「あと、二人ばかりいたけどよ。ガイと、ベックスってのだ。さっきのはウィード。 どいつも悪い奴じゃなかったんだけどな……。ところで、リーダーの名前はハンスだ。――って、聞いちゃいねえか」 途中で、ようやくマリンが眠っていることに気が付く。 しばらく、アドナンは黙って周囲の様子を窺っていたが、特別、何も起こりそうにないのを見ると、ようやく力を抜いた。 「別段、見張りを立てないでも問題はねえだろ」 それから、一つ頷き、何かの文言を詠唱する。 魔術が完成すると、青白い光を放つ、小さな水晶体が生まれ出でる。 アーシュラのライトの効果が切れて、暗黒の帳が降りていた部屋に明かりが満ちていく。 「こいつが切れる頃には、注意をしなきゃならん訳だ。……俺も寝るかね」 |
マリン |
アドナン< 「アドナンさんとリーダーのハサンさん、そして・・・死んで動く死体になってしまった人、・・・三人で・・・この遺跡に来たの・で・す・・・か?・・・」 そこまで言うと眠り込んでしまう。 |
アーシュラ |
「あ〜あ、結局、スカンピンか・・ガックシ」 みるみる疲労が表情に出てくる。 アドナン< 「あたしら、ちょっと休ませてもらうよ。もう精神的に限界なんでね。 その紋章みたいなのの効果が切れそうになったら起こしてよ。」 壁に頭をもたれかけると、そのまま目をつぶる。 急速に眠りに落ち込んでいく。 |
アドナン |
アーシュラ< 「おうおう、理解してくれたようだな」 にやりとして、満足そうだ。 「だけどな、ちょっと忘れてるようだな。俺がそんな都合の良い道具を持ってたら、もう使っちまってるはずだろう? せいぜい、道具でっていえば、さっきのもの程度しか俺は知らんし、持ってもいないさ。これまではそれで充分だったからな。なんせ、俺たちはそれぞれで役割分担してた。俺の役割は、亡霊から身を守る術を使うことだったが、それが、さっきの術さ。あれでその部屋の入り口を塞いでいる限り、実体の持たない奴なら、侵入不可能だ。 つっても、限りはあるけどな。 効果時間は半日くらいだし、肉体のある奴には効かねえし、そいつに紋様を消されちまえば術も消える。それに、あの顔料みたいな奴、調合するのに必要な材料が、これまたちょっとした特殊な物体だったりする。そんなに多くは使えんから、いつも数は少ない……。それで、今も、あと一回分くらいしかない。 まあ、それはそれで別の話だな」 肩をすくめる。 「もちろん、ただ働きしろとはいわんさ。 っても、手持ちはねえがよ。今は、ってことだけどな」 マリン< 最後まで聞いてから、渋い顔をする。 「なんてこった。あのくそったれめ」 吐き捨てると、マリンに向かう。 「あるぜ、心当たり。 リーダーが宝に手を出したら亡霊が襲いかかってきた、つったろ? その宝が、たぶん、そのいってるとおりの奴だ。 よりによって、一番やばい奴に真っ先に手にしちまったってわけだな。 で、その宝は、リーダーが持って逃げた。 あの野郎はあの野郎で、ちょっとした技を心得てやがるし……亡霊どもがあいつをとっつかまえたってんなら、宝も戻ってるはずだよな。まだ、逃げ続けているんだろうな」 |
マリン |
アーシュラの悪い癖が、また、始まっている。 しかし、遺跡のアイテムと言えば思い出すことがある。 アドナン< 「アドナンさん、私たち遺跡の反対側にいるときに、亡霊みたいなものにアイテムを返せって恫喝されたのですけど、こころあたりありませんか? その・・・、台座に嵌まるまるい玉みたいなもののようですけど・・・ それを返すと、ひょっとすると亡霊たちの怒りも収まるかもしれません。」 |
アーシュラ |
「ふう・・ん、あんたの生還ね・・」 目を細めてアドナンを値踏みするように見る。 アドナン< 「タダ働きはごめんだよ。 それに、もう動く死体からあんたを助けたから依頼の一部は実行されているわけだ。 謝礼に何くれる? そうだ! くそったれ亡霊どもを撃退するのに役立ちそうな遺跡のアイテムない? 結構、あたし達も亡霊には手を焼いているんだよ。 お互い生き残るためにさ。それを前払い分ってことにしてやるよ。 どうだい? 悪くない取引じゃない?」 |
男性 |
最後の線を引き終わると、何か不可思議な形に片手を動かして、念を凝らしたようだ。 それから、二人のところへやってきて、腰を下ろす。 アーシュラ< 「おっさんってのは嬉しくないな……」 隣にいるアーシュラに渋い顔をする。 「アドナンと呼んでくれ。ただのアドナンだ」 名乗ると、アーシュラの質問に答える。 「まず、依頼の内容から説明しておく。そうすりゃ、俺たちがおかれている状況も分かるからな。 依頼の内容は、『遺跡の守護者の撃破』だった。 分かるかい。過去の話だ。 今の俺の依頼は、『アドナンの生還の援護』だな。俺だけ守ってくれればいい。発掘隊の仲間は、たぶん、皆やられちまったからな。バラバラに逃げたから、分からんが。 ……ああ、畜生。参ったぜ、この遺跡。俺はいったんだ。誰か、ギルドに出した依頼を受けて応援が来るまで待とうってな。それで、このざまだ。 ハンスが……リーダーが宝に手を出したと思ったら、あとからあとから、亡霊どもが現れてきやがった。 俺は、“マジナイ”ってえか、こういう魔術には詳しくてね。邪霊の類を退ける紋章を敷くことができるんだ。つっても、肉体のある奴にはてんで手が出ないがね」 がりがり、と頭を掻く。 「いうことがまとまんねえ。落ち着いたつもりだったけどな、まだ混乱してるな。俺のいったこと、通じたかい?」 |
マリン |
男性の慌てぶりを見て、しばらく干渉せずに様子を見守る。 そのうちアーシュラが男性に話しかけ始めた。 アーシュラの横までゆっくりと歩いて行くと、同じように壁にもたれてじゃがみこんだ。 男性の口によってこれから話される内容を待つべく、じっと聞き耳を立てている様子だ。 |
アーシュラ |
しばらく、しゃがみこんだままホケたような表情で男性のやることを見つめている。 疲労困ぱいしており口もききたくない。 しゃがみこんだまま、ずるずると後に後退していき、壁にぶつかってもたれかかる。 男性の作業が終わったのを見届けると、大きくため息をつき、けだるそうに男性に話しかける。 男性< 「おっさん、それは何かのマジナイかい?まだ、危ないやつらがいるっていうことか・・・。 あたしらさあ、ギルドからあまり詳しいことを聞いていないんだわ。やばい話だってことは聞いたけどね。頼むからこの遺跡であたしらが置かれている状況を説明してくんない? んでもって、依頼ってやつの中身を教えてよ」 |
男性 |
マリン< 「ああ……たぶん、その、依頼人の一人だ」 まだ、喉の具合は悪いようだ。少し掠れた声で答える。 「この遺跡を発掘していたのが、俺たちだよ。やれやれ、遺跡に危険は付きものだが」 そこまでいうと、はっと顔を青ざめさせる。床に落ちていたランタンを拾い上げて、周囲を見渡す。 「この部屋に、出口はなし…っ」 呟くや、アーシュラたちも通った入り口まで走り寄り、腰に下げていた小袋を探る。 そこから、顔料らしきものを幾つも取り出すと、ぶつぶつと何事かを唱えながら、床と壁面に擦りつけていく。 程なく、マリンには覚えがある紋様が完成する。先ほど、動く死体が破壊した扉に描かれていたものと雰囲気が同じだ。 |
GM |
動く死体< ぶすぶす、と音を立てながら、煙を上げている。 吐き気を催すような臭いを立てて燃え、炭化していく。 今は、単なる物体以上の気配は感じない。 すっかりと、邪気は抜けきったようだ。 男性< マリンは、男性の様子を窺った。 どうやら、何かの手当てが必要なほどではないようだ。 「かはっ……げほ、げほ。あー……」 今は、何度か咳き込んでから、喉の調子を確かめたりしている。背中をさするマリンに、感謝の視線を向けた。 マリンは、男性に話しかけた。 「私たちギルドから派遣されてきました。マリンとアーシュラです。 この遺跡の魔物を退治するようにとの依頼なのですけど。 おじさんは誰ですか? どうしてこんな危険なところにいるのですか?」 |
マリン |
消え去る邪気の中でしばし呆然としていたがアーシュラからの指摘で男性に向かって話しかけることにする。 先ほど激しく喘いでいたようなので近づいて背中をさすってやる。 男性< 「大丈夫ですか?」 動く死体との格闘でどの程度のダメージを受けたのか男性の様子から観察する。 今すぐ何か手当てする必要があるのだろうか?必要であれば、ヒールをかけることにする。 しばらく背中をさすったりして十分に間をおいて、男性の状態が安定したようであれば再びやさしく言葉をかける。 |
アーシュラ |
「ふぃーっ!」 ため息とも悲鳴ともつかいない声を出しながら思わずしゃがみこんでしまう。 精神的にほぼ限界に達していたのだ。 しゃがみこんだ姿勢のままマリンの方を見やる。 マリンカリン< 「やっと、かたがついたみたい。くそっ、アンデットの分際で本当に面倒かけさせやがって。 しかし、あたし達の今の能力じゃいっぱいいっぱいだったね・・・」 再び動く死体であったものに目を移すと、はっと忘れていたことを思い出した。 「あっ、それとおっさんはどうなってる?」 マリンにそのように言うと先ほど死体と格闘してい男性の方に目を移し状況を確認する。 男性のフォローは近いところにいるマリンに任せよう。 |
GM |
詠唱判定:分類/エクスプロージョン(20) アーシュラ:4.75+1D4…7.75 5.75 5.75 6.75 4フェイズ 詠唱判定:分類/ターンアンデッド(15) マリン:4.08+1D4…7.08 6.08 8.08 3フェイズ 行動値判定: アーシュラ16+7=23 (16+2D6) マリン16+7=23 (16+2D6) 動く死体10+7=17 (10+1D10) 今度は、マリンの詠唱の方が早い。 発動判定:分類/ターンアンデッド マリン:成功! > 命中! > 6ダメージ! > 「苦痛」! マリン:MP15/78 柔らかな光が導き出され、マリンを中心に、周囲のものを包み込んでいく。白い波紋は、穏やかに、しかし速やかに広がっていく。 光に撫でられ、倒れたまま燃えていた死体が、激しく痙攣する。声も出さず、苦悶しているようだ。 二人が警戒を保っていたのは、正解だったようだ。 発動判定:分類/エクスプロージョン アーシュラ:辛うじて! > 命中! > 20ダメージ! アーシュラ:MP11/68 苦しむ動く死体に、再度、アーシュラの放った魔術が炸裂する。爆音を立てて、炎が死体を包み込む。 二度、熱風に炙られて、この死体に取り憑いていたよこしまな気配はとうとう、現世から退散することを余儀なくされる。 怪しい影が死体からたちのぼり、途端に。マリンが呼び出した聖なる光に分解されていく。 少なくとも、この周辺からは、邪悪な気配が消え去ったようだ。 |
マリン |
ターンアンデットは不発だったようだ。 動く死体が完全に活動を停止したかどうか確認することが必要だ。 今度は落ち着いて再度ターンアンデットを唱える。 |
アーシュラ |
動く死体は動いていないがアーシュラは、まだ、まったく油断していない。 続けざまに同じようなスピードで再度エクスプロージョンを発動させる。 |
GM |
詠唱判定:分類/エクスプロージョン(20) アーシュラ:4.75+1D4…8.75 7.75 5.75 3フェイズ 詠唱判定:分類/ターンアンデッド(15) マリン:4.08+1D4…8.08 5.08 7.08 3フェイズ 行動値判定: アーシュラ16+8=24 (16+2D6) マリン16+2=18 (16+2D6) 動く死体10+9=19 (10+1D10) アーシュラは、素早く魔術を紡ぎ、炎の魔法を完成させる。 その間に、マリンは何とか男性を引っ張り出すことに成功する。ターンアンデッドの詠唱を終える暇はなかった。 アーシュラは動く死体をしっかりと見据えながらエクスプロージョンを発動させる。 「このやろう!燃えろ!!」 発動判定:分類/エクスプロージョン > 動く死体(及び、周囲3-3) アーシュラ:優秀な成功! > 100% 命中! > 27ダメージ! > 「炎上Lv.2」! 熱線が放射線状の光を放ちながら、瞬時にして発生、収束し、動く死体に集中、激しい渦を巻きながら爆裂した。 魔術によって制御された爆炎は、半径3mほどの球形に膨れ上がり、中のものを旋風で焼き払う。 発動判定:分類/ターンアンデッド マリン:失敗! それにやや遅れて、マリンの詠唱が完成するが、祈りは、奇跡の力を呼び起こすには足りなかったらしい。 ぼんやりとした光が、形になる前に消え去った。 アーシュラの炎は、ほんの一呼吸だけ燃え上がった後に、魔力を消費し尽くして消滅する。 あとには、嫌な臭いを放ちながら、自然の熱だけで燃えている死体が残った。 不浄な力を喪失したのか、単に倒れているだけなのか、アーシュラには何とも判断しがたい。 |
マリン |
アーシュラが呪文の詠唱を開始したのを見て慌てて咳き込む男性にかけ寄り、やや強引に後から抱きかかえるようにして動く死体から一緒に離れる。 数m移動して振り返り、アーシュラと動く死体の状況を確認する。 どのような状況であっても動く死体が戦意を喪失することを期待して、ターンアンデットを唱えた。 |
アーシュラ |
さあ、今度こそ魔法を動く死体に打ち込んでやる。 ここのところ詠唱しても発動できないケースが多いのでフラストレーションがたまっている。 マリン< 「マリン!おっさんを連れて下がれ!」 そう叫ぶと自分も動く死体から離れるように後に下がりながらエクスプロージョンの詠唱を開始する。 動く死体がもたもたしている間に詠唱し終わるかどうかかが勝負だ。 こんな時こそ良く回る口の特徴を生かして詠唱時間の短縮が少しでも出来れば都合が良い。 |
GM |
まず、アーシュラが飛び込む。 「こいつ!離れろ!!」 がつっ。 重い音を立てて、動く死体がよろめいた。 壁のような厚みをアーシュラは感じる。 僅かにできた間隙に、マリンが突っ込んだ。 盾ごとの突撃に、尋常ではない膂力で掴みかかっていた手も外れ、その余勢で、動く死体は床に転倒する。 杖を持っていた男性は、たたらを踏んで二、三歩後退し、蹲りながら激しく咳き込んでいる。 動く死体は、しぶとく、起きあがろうとしている。 一部、凍結した身体を扱いかねているようで、動作が鈍い。 |
マリン |
フリーズがヒットして死体の動きが少し止まっている。 今が行動するチャンスだ。 アーシュラが体当たりを敢行するのに呼応してマリンも行動を起こすことにする。 とにかく男性の喉をつかんでいる腕を引き離さなければいけない。 そうするためには死体の腕に直接さわる必要があるが、どうも気持ちがわるい。 ひんやりしていたり、べちゃべちゃしていたりしたらどうしよう? 恐怖感よりそんなことを考えている自分が何だか変だ。 そこで、バックラーを装備して死体と男性の間に突入することにする。 アーシュラが死体に体当たりするタイミングを見計らって、バックラーを楯にして死体の腕の部分に体ごとぶつかっていく。 「えいっ!」 |
アーシュラ |
死体と男性が組み合ってる状態を見て思わず舌打ちする。 「ちっ!」 このままマナフレイムを発動させてしまおうか? 男性も致命傷にはならないだろうが・・・こんがりしてしまうだろう。 まっ、しかし、マナフレイムくらいではどちらにしても死体に大ダメージを与えられない。 後で男性に恨まれるのも面倒だし・・・そんな損得勘定に思いをめぐらしながら結局、マナフレイムの発動を放棄する。 死体をやっつけるより、おっさんの救出を優先するか。 マリン< 「マリン!死体をおっさんから引き剥がすよ。ぶちかませ!」 こっちは男性も入れて三人なんだ。その気になれば取り囲んで死体野郎をタコ殴りにだってできる。 そんな強気な考えに勇気づけられながら死体の側面に肩から思いっきり体当たりをぶちかました。 |
GM |
二人が魔法の詠唱を行っている間に、動く死体と男のやりとりが展開する。 一度、二度、男は杖を振るった。 攻撃するためというよりは、死体の伸ばす手を振り払うためといえる。 一度は空振りし、二度目はその頭部を直撃した。 しかし、男にはろくな武術の心得はないのだろう。打撃力は大したものではなく、死体の動作を遅れさせることもできない。 「うあっ、かはっ」 遂に、男が死体に捉えられる。 喉元をに掴みかかられ、喉から息が絞り出される音がする。 魔術判定:分類/フリーズ > 動く死体 マリン:高い成功! > 命中! > 12ダメージ! > 「凍結Lv.1」! そこで、マリンの魔法が完成する。 掌中に生まれた冷気の球体は、周囲の空気に含まれる水分を瞬時に凍結させ、きらきらと輝く霜を散らせる。 打ち出された冷気は、白い尾を引きながら宙を流れ、動く死体の背中に炸裂する。 きしり、と、拡散した瞬間に凍結する、冷気の音が響く。 死体の動作が止まる。 アーシュラも、詠唱を完了させる。 しかし、どうする? 彼女の詠唱した魔法は、半径6フィート(約1.8m)に渡って、炎を舞い上げるものだ。先ほどまでならばまだ隙もあっただろうが、今の、死体と男性が組み合っている状態では、あの男性を巻き込まずに魔法を放てる可能性は少ない。 魔術は完成しかかっており、それを直前で放棄するにせよ、行使するにせよ、あと一瞬の猶予しかない。 |
マリン |
アーシュラが魔法を詠唱するのに呼応して、自分も直ぐに攻撃魔法の体勢をとる。 動く死体< フリーズを詠唱した。 |
アーシュラ |
動く死体を見つけた。 止めるべき言葉もなく、それを排除するのみ。 動く死体< マナフレイムを詠唱した。 |
GM |
二人は、すぐにその場へと到着した。 通路は小部屋に通じていた。 入り口にはドアはなく、部屋の中に置いてあるランタンの輝きが漏れてくる。 アーシュラの「ライト」と、ランタンの光に照らされているのは、先ほども遭遇した動く死体らしきものと、それと格闘する人物の姿だった。 その人物には、二人は見覚えはない。 少し痩せた男性の人間で、長い杖を持っている。武装といえるほどのものはなく、革製の服で身を包んでいる。 必死の形相で、手にした杖で何とか動く死体を近づけないように努力しているが、今にも、つかみかかられてしまいそうだ。 |
マリン |
人の声を聞いて瞬間的に反応して前方に走り出す。 とにかく久しぶりの自分たち以外の人間だ。 困った事態ならば是非救い出して事情を知りたい。 |
アーシュラ |
人の声を聞いて瞬間的に反応して前方に走り出す。 とにかく久しぶりの自分たち以外の人間だ。 困った事態ならば是非救い出して事情を知りたい。 |
GM |
二人は、それぞれに覚悟を決めて、奥へ進む。 マリンは少し余裕を持ちながら、アーシュラは恐怖と戦いながら。 少しも進まないところで、張りつめた緊張を破り、解き放つようなことが起きる。 紛うことのない、人間の悲鳴、あるいは怒号が聞こえたのだ。 「あ、ぁああああああっ! 畜生、来るなぁッ、この野郎!」 明かりは届かないために正確なところは分からないが、かなり近くだ。この通路をまっすぐに、ほんの少し進んだところから、その声は聞こえてきた。 |
マリン |
強まるアンデットの存在感覚に必然的に緊張感が高まっていく。 アーシュは意を決して先に進んでいくようだ。 自分もがんばってついて行くしかない。 アンデットの存在を視認しようとして前方に目を凝らしつつ進む。 |
アーシュラ |
腋や背中に再びじっとりと嫌な冷や汗を感じる。 もうちょっと、あと少しだけ奥を探検したいと思う。 多分、それ以上は精神力が尽きて無理だろう。 湧き上がる恐怖を押さえ込んで通路を先に進む。 |
GM |
道はまっすぐに続いている。 ある程度、進んだところで、忘れていた嫌な気配がやってくる。この通路の奥から、怖気を呼び起こす感覚がやってきて、肌にへばりついてくる。 特にアーシュラにはそれが強く、先ほどの怪しい影に出会ったときに身体を縛り付けた恐怖が、じわじわと戻ってくる。 その畏れが、彼女をして探索を思いとどまらせることができるほどのものかは別だが。 道は、まだ続いている。 マリンは、徐々に徐々に、アンデッドの存在を意識し始める。祈りの力で神術の奇跡を呼び起こす、神の使徒たるものの嗅覚が、常よりも遙かに鋭敏になっているようだ。 |
マリン |
こうなったら虱潰しに調べていくしかない。 アーシュラのあとをついて、開かれた扉の中へ入っていく。 |
アーシュラ |
「ふう・・・ん、そういうことか。大体の構造はつかめたね。」 マリン< 「あたしとしては最初に見つけた、開かれた扉の方へ行こうと思う。 何ていっても扉がある方が重要なものがあるかもしれないじゃない」 先頭に立って開かれた扉の中に入っていく。 |
GM |
アーシュラは、壁沿いに歩き、部屋の状態を確かめていった。 彼女たちは始めに、開かれた扉を発見する。 (便宜上、Bと記号を振ってある) 次に、破られた扉の場所に戻ってくる。 (ここが、Aとなっている) 最後に、初めから扉の付いていない通路を見付け、目印の元に帰ってきた。 (B→A→Cと、進んでいったことになる) |
マリン |
この遺跡はいったいどれくらいの広さがあるのだろう? 風の動きがあるということは、どこかに別の出口があるのかもしれない。 そんなことを何とはなしに考えながらアーシュラのあとをついて行く。 |
アーシュラ |
部屋の中程と思われる所でちょっと考え込む。 何だかしれないがこの部屋は良く調べた方が良さそうだ。 そのまま前方に進んで壁に突き当たると、手ごろな石を拾って大きなバッテンマークのキズを壁につけた。 マリン< 「マリン、この部屋ちゃんと調べるよ。いいだろ? 一周して、また、このマークのところまで戻るからね」 そういうと壁の状態を確かめながら反時計周りに壁沿いをゆっくりと進みはじめる。 |
GM |
この部屋には土砂崩れは起きていないようだ。 アーシュラはどんどん歩いて、奥へと向かっていく。 風(あの怪しい瘴気ではなく、ただの空気)の動きから、この部屋には出口が二つあるように思える。 この遺跡が対象形をしているなら、先だって通ってきた広間と同じ方向、この部屋の入り口から向かって右手側に一つの出口があるはずだ。それから、別の場所にもうひとつあるのだろう。 今はちょうど、部屋の真ん中あたりのように思える。 |
マリン |
アーシュラに引かれて部屋の奥に進んでいく。 例えそこに何かが封印されていたとしても覚悟していく他にもう道はなかろう。 |
アーシュラ |
「なーんだ、ここで直ぐにはお宝はないんだね。 きっと、もう少し奥の方にあるんだ!」 そういうとマリンの手を引いて、ずんずんと部屋の奥に入っていく。 |
GM |
二人は、部屋の中に入っていった。 死体の姿はどこにも見えない。 そこはというと、前に入った、あの土砂が崩れていた広間と同じような形をしているのではないかと思えた。 やはり、ライトの魔法では照らし切れず、ぼんやりとした大きな空間だけを感じる。 扉の残骸< 先に立っているアーシュラは全く気が付かない。 彼女よりも慎重さを持っていたマリンは、床に倒れる扉に、不審な物を発見した。 それは、何かの顔料で描かれた紋様だった。 と。 びょう。 二人は、急に突風が吹き抜けていったような感覚を覚える。 それは、彼女たちがやってきた通路から通ってきて、二人を通り過ぎ、広間へと広がり、どこかにあるらしい出口へと去っていく。 非常に不愉快で、肌を粟立たせるような冷たい気配だった。 |
マリン |
怪しい人影が扉を壊すのに成功したのを見て、一つの疑問がマリンの心の中に浮かんできた。 怪しい人影はどう見ても先ほどの死体のようである。 死体が自らの意思で何かをするとは考えにくい。死体を操っている別のものがいるはず。 そのものが死体を操っていったい何をしようとしているのか今のところわからない。 ひょっとすると自分で行くことが危険だから死体を操っているのかもしれない。 ここは慎重に対処すべきだろう。 一方、アーシュラはと言うと何時もの悪い癖が出て心が浮ついてしまっている。 警告を発するべきだろう。 アーシュラ< 「アーシュ、しっかりして! 先に、もっと危険なものがあるかもよ!」 アーシュラの袖を引いて注意を促す。 しかし、アーシュラに引っ張られる形で部屋の中に入っていく。 |
アーシュラ |
ついに扉が壊れた。新しい展開が始まる。 扉が壊れたことによって、今まで入れなかったところに入ることが出来る。 大体このような封鎖されている場所にはお宝が隠してあることが多い。 思わず期待感が心の底からふつふつと湧き上がって来るのを抑えることができない。 マリン< 「くっくっくっ、扉を壊してくれたやつにご苦労さんと言ってやりたいね。」 欲望丸出しの顔と冗談めいた笑いを混ぜてマリンに話しかける。 おおよそ普段の様子からは想像出来ない下品さだ。 煩悩に心を支配されやすい性格が出てしまっている。やれやれだ。 「さてと中のお宝を拝まさせてもらうかね。」 と言うと怪しい人影の後にしたがって部屋の中に入っていく。 恐ろしいという感覚よりお宝を拝みたいという欲望の方が勝っているのだ。 |
GM |
がん! がん! がん! 二人が見守っていると、 がん! ……ばん! ひときわ大きな音を立てて、扉が跳ねるように開いた。 がらん、がらん、という金属音を上げながら、扉が地面に転がる。 人影< マリンは、薄い明かりに照らされた人影の正体を掴もうとする。 じっと見ていたが、しかとは分からない。 それでも、あの死体そのものではないかと思えた。 その人は、ゆっくりと身体を動かし、開いた扉の奥へと入っていく。 |
マリン |
人影らしき者の勢いに圧倒されてしまった。 目を凝らして、その正体が果たして死体であったものと同一であるか見極めようとする。 アーシュも待ちの状態のようであるのでこのまま様子を見ることにする。 |
アーシュラ |
人間らしい影が扉を叩いているシーンを目の当たりにして、感動してしまった。多分、その必死さに打たれたのだろうが。彼の意図が何にあるのか見届けたいと言う気持ちが一段と強まった。 このまま、彼の成し遂げようとしていることが成就されるのを見届けよう。 待つことにする。 |
GM |
二人は、開かなかった扉の方に進んでいく。 けたたましい音は、近付いていくと、より大きくなっていく。 尋常ではないほどの騒音だ。 やがて、それは見えてくる。 アーシュラとマリンが見付けたのは、人間らしい影が、凄まじい勢いで、あの扉を殴りつけている姿だった。 空恐ろしいほどの打撃を、扉に叩き付けている。 がん! がん! がん! 人影は、こちらに気づいた様子はない。 扉は激しくたわみ、蝶番が、びしびしと鳴っている。 このまま叩かれていれば、扉もそのうち、開いてしまうのではないかと思えた。 |
マリン |
確か音のする方の扉は開かなかったはず。誰かが無理に開けようとしているのか?何のために? このまま音のする方に行けば何かに出会うことになるだろう。 多分、それは予想されるような嫌なものだろうが、それが何をしようとしているのか知りたい。 それを知るだけでも価値があるのではないか? アーシュも同じような考えらしい。 アーシュの後に従って、音のする扉の方向に歩き出した。 |
アーシュラ |
本当の所は、全てを放り出して休みたい。どうして、ゆっくり休んでから、その後で対応しないのか? でも、そうはならないだろう。 結局、様子を見に行くことになるのだ。今そこにあるものに対する好奇心に抗しきれないのだから・・・ 半分諦めたような半分面白がっているような表情でマリンの顔を見る。 マリンの表情にも躊躇の影が見て取れるが結局彼女も行くことだろう。 マリンに向かって軽く頷くと音のする方向に向かって歩き始める。 |
GM |
遺跡内は静まりかえり、空気は重たい気配に満ちている。 二人の足音だけが、堅く、冷たく、反響して消えていく。 足を引きずって歩いているような、そんな跡が、途絶えることなく、彼女たちを先導する。 そして、二人は目的の出口にたどり着いた。 足跡は、その横を通り抜けて、最初に二人がこじ開けようとした扉のある方まで続いているようだった。 そこで。 がん! がん! がん! と。 堅いものに打ちかかるような騒音が聞こえてきた。 見ようにも、闇に包まれて見ることはできない。 だが、あの、開かなかった扉の立てる音だということは簡単に推測できた。 アーシュラたちがこじ開けようとした時よりも、遙かに強い力で、扉は叩かれているようだった。 がん! がん! がん! ひっきりなしに、扉はけたたましい音を立てている。 |
マリン |
こういうストレスにはマリンは若干強い。いったん戻ると決めたのだから戻るという決心は変わらない。 アーシュラ< 「必ずしも出会うとは限らないわ。 出会ったとしても果たして悪意があるかどうか断定できないし・・・。 戻りましょう!」 そうきっぱりと言うとアーシュラを急き立てて戻る方向へ、すなわち新しい足跡が続いている方向へ歩み始めた。 |
アーシュラ |
死体がない。それでもって、足跡が自分たちの向かう方向に続いている。 自分たちには休むことも許されないのか? 何かにやつあたりしたい気分だ。 このまま行って何か嫌なものに遭遇するか、それとも、やはり探索を続行するか、判断に迷うところだ。 マリン< 「さあ、どうする?前門の虎、後門の狼状態だよ。 どちらと対面するか決めてみよう」 ふざけた口調とふてくされた態度である。 マリンの決めた方にするさ。どちらでも良いっていう感じ。 |
GM |
二人は、やってきた道を辿って、戻ろうとする。 通路を抜け、広間に差し掛かる。 ………。 ………。 そこにあったはずの死体がなくなっている。 ただ、新しい足跡が、奥の方――つまり、アーシュラたちが最初に入った通路に向かって続いている。 自分たちのものではないことは間違いなかった。 |
マリン |
アーシュラ< 「うん。ずっと緊張しっぱなしだったしね。 外に出て食事にしよう。」 アーシュラの後について、同じように引き返すことにする。 |
アーシュラ |
マリン< 「ふうーん・・・ここに何か丸いものがあったみたいだよ。」 ここにあったものを戻せってこと? やれやれ先が長いね。 ねえ、いったん戻って休まない? あたし、ちょっと疲れちゃった。」 そう言うともと来た道を引き返しにかかる。 |
GM |
碑文は、見慣れぬ文字で書き連ねてある。 この文字はとても解読できそうにない。 叡智の塔に在籍していた、導師の一人が、確かこんなたぐいのものを研究していたような記憶を、二人は持っているかも知れない。 また、呪術的な意味を感じる紋様が描かれており、その中央には、ぽっかりと小さな穴が空いている。 ちょうど、こぶし大の球体が入りそうな穴だ。 随所に、堅いもので引っ掻いたような傷がある。 誰かが、嵌め込まれてあった球体をほじくり返したのではないか――細工に造形のあるアーシュラは、そう、推測できた。 |
アーシュラ |
はっと我に返る。何か命令とも要請とも受け取れることを聞いた気がする。 「何か返せとか言うことだよね。 何なのだろうね」 柱まで歩いていき、同じく碑文の上の状態を調査する。 |
マリン |
「ふう・・・。 何だか凄く怒っていたみたいでけど」 そう言うと、恐る恐る柱の所まで歩いて行き碑文の上の辺りを覗き込んだ。 |
GM |
アーシュラはまだ、押しつけられた恐怖を克服はできない。 マリンの問いに応じたのか、否かは分からない。 青白い影は、腕を上げ、二人に指を突き付けた。 そして、口を開く。 ごうっ 暴風とも轟音とも付かない激しい衝撃が、影の一語、一語と共に、ごう、ごうと荒れ狂う。 その音に紛れて、言葉を聞き取ることは全くできなかったが、それでも、なぜだか、影の意思は通じた。 我々の墓を荒らすものども 安らぎを汚したものども あるべきものをあるべき場所へ戻せ 神聖判定:分類/恐怖への耐性 アーシュラ:-10% 完全成功! マリン:成功! 真の恐怖というものは、明らかではないものの恐ろしさだという。とすると、この青白い影は、言葉を発したことによって、アーシュラに対する恐怖を解いてしまったのだろう。 極限までに高まった恐慌の中で、アーシュラは、水に洗われたように、正気を取り戻した。 意識が、はっきりとしていく。 告げることを告げると、青白い影は、自らの後ろにそそり立つ柱の、碑文の上あたりを指で示し、それから、消えた。 |
アーシュラ |
扉を開けたら直ぐに、何とも言えない恐怖心にとらわれて精神的に麻痺してしまった。 横ではマリンが何やらしゃべっているようだが。 誰に向かって話しているのだろうか? とにかく今は平静心を取り戻すべく必死になって意識を集中する。 |
マリン |
碑文の正面の青白い影の存在に気づいて、どのように対処すれば良いのか一瞬迷った。しかし、ここは敵対するよりコミュニケーションを取るように試みるべきかもしれない。 自らをはげまして一歩踏み出す。 青白い影< 「私たちギルドの依頼でここに来ました」 貴方は誰ですか? 私たちに何か御用がおありですか?」 青白い影の反応を覗う。 |
GM |
重たい扉が開いていく。 空気は湿っぽいというのに、ちょうつがいはどこもさび付いてなどいないようだ。 軋んだ音を立てながら、扉は、動いていった。 マリンの作る幻像が、部屋の中へ一歩踏み込む。 その隣で、アーシュラも部屋を覗き込む。 ライトに照らされて、部屋の姿が露わになる。 天井の高い、円形の広間で、中央に柱が立っている。柱の足元には碑文めいたものが置いてある……。 ぼうっ 刹那、温度のない風が吹き荒れた。 同時に、鳴りを潜めていた邪気が、瘴気が、ふくれあがり、二人を打ちのめす。 神聖判定:分類/恐怖への耐性 アーシュラ:失敗! マリン:優秀な成功! 神への強い信仰心を持つアーシュラは、激しいまでの邪気が叩き付けられても、揺るがない。ほんの少しの恐怖は覚えたかも知れないが、それは頭をはっきりとさせ、むしろ、先ほどまでの緊張や不安が消え失せさせてしまったほどだ。 マリンは、恐怖に支配される。自分の心の裡からではなく、外から押しつけられ、染み入ってくるような畏れだ。それは芯まで、アーシュラの中に入り込む。 暗闇に半ば閉ざされた視界ながら、マリンは碑文の正面あたりに、青白い影が立ち上っていることに気が付く。 |
マリン |
高い扉の右側まで来たらアーシュラと一緒に扉を開ける。 魔術判定:分類/集中維持・イリュージョン -20% マリン:辛うじて成功! |
アーシュラ |
高い扉の左側にたって、マリンがやってくるのを待つ。 マリンが扉の右側に立つのを確認してマリンと一緒に扉を開ける。 |
GM |
二人の足音が、静まりかえった通路内に響き、通っていく。 重く、沈み込むような濃密な空気が周囲を包んでいる。 何事もなく進んでいくと、右手の壁に、背の高い扉が姿を現した。 通路自体は、正面の闇の中に、ひっそりと続いている。 |
マリン |
イリュージョンを先行させつつアーシュラと一緒に通路奥に進む。 |
アーシュラ |
魔術判定:分類/エクスプロージョン・詠唱待機 アーシュラ:成功! 通路の奥にゆっくりと進む。 何時でもエクスプロージョンを発動させられる状態である。 |
GM |
…………。 ゆっくりと奥を覗き込むが、アーシュラは何も見つけることはなかった。 マリンも何も見つけられない。 幸か不幸か、すぐ側に何かがいるというわけではないようだ。 角の先には、暗い通路が続いているようだ。 その瘴気の濃密さ。もはや、この遺跡が通常の場所ではないことは明らかだった。 |
マリン |
アーシュラ< 「何時でも逃げられるようにね! この臭いからするとゾンビさんかしらね。 冗談ぢゃないけど・・・」 そう言うとアーシュラに寄り添って、不安げにアーシュラの腰のあたりに手を当てて軽く引き寄せる。 イリュージョンを左にターンさせてゆっくりと通路の奥に移動させる。 イリュージョンの移動に合わせて視線を動かし、その奥にあるものを見る。 |
アーシュラ |
嫌な臭気だな・・・ 「今度は何? 何だかさぁ、この仕事気楽に請けたけどこう次から次へとやばくなるとなんだか間尺に合わないよ! まったく」 そう一人グチをこぼすものの内心はびくびくものである。 細い通路の角まで行って、怖々通路左側の奥を覗き込んでみる。 「なむさん」 |
GM |
魔術判定:分類/イリュージョン・声音魔術 マリン:成功! アーシュラ: HP49/49 MP46/68 マリン: HP52/52 MP30/78 細い通路は、途中で、左に曲がる角になっている。 マリンは再び、この先から、嫌な気配を感じだした。 ……そして、その気配を感じたときには、周囲一体が、おぞましい臭気に包まれている。 アーシュラにもその臭いは感じ取れた。 死臭と呼ばれるものだったが、彼女たちが嗅いだことがあるかはどうか。 むっと鼻に染み通っていくような、吐き気を呼び起こす臭いだ。 ここにいたって気が付いたが、実は、うっすらとした臭いはこの遺跡に入ってからもしていたようだ。 それが、この場所で遙かに強烈なものとなっている。 |
マリン |
死霊の事は気にはなるが、今は危機を脱したようだ。無理に死霊を追いかけて再び危機に陥るリスクは取りたくない。 アーシュラの提案に従って、細い通路の探索を再開することにする。 今度、こういう依頼を受けるときはジャベリンの奇跡を賜られるほどになってからにしようとなんとなく考えながら、再びイリュージョンを唱えてアーシュラの後からついて行く。 |
アーシュラ |
マリン< 「どうやら、いっちまったようだね。 まっ、やつとは後でケリをつけるとして 今は、通路の先に何があるか確かめようか?」 そう言うと、マリンを一瞥して後ろを振り返り、再び細い通路の奥に向かって歩き出す。 |
GM |
アーシュラは、マナフレイムを詠唱し、推測した地点に炎を生み出す。 だが、それなりの効果範囲を持つとはいえ、マナフレイムは点にしか作用することはない。 死霊のいる方向は分かっても、具体的な距離が掴めなくては、魔法を命中させることは難しかった。 炎は、大気を焼いただけに留まる。 死霊の動きは素早く、ターンアンデッドの奇跡に必要な祈りの時間は長かった。 途中から、死霊の姿は完全に闇の中に包み込まれてしまい、マリンは、自分の願った奇跡の力が、死霊に及んだかどうかは分からなかった。 死霊の移動する速度と、ターンアンデッドの有効範囲から、恐らくは死霊に破邪の力を浴びせることはできただろうと考えられるが……。 いずれにしても、数秒間の、静寂が訪れる。 少なくとも近くからは、寒気のするような気配は消え去っている。 |
アーシュラ |
マリン< 「うん、見えた、一瞬だけどね」 マリンによると死霊は逃げ出したらしい。 自分が先に視認した死霊の位置とマリンが指差す方向で、現在の死霊位置を想定する。 マリンと同じように数歩前進してマナフレイムを想定した死霊の位置に打ち込む。 「それぢゃ、もう少し懲らしめるとするかね」 |
マリン |
アーシュラ< 「見えた? 死霊? どうやら逃げ出したみたいだけれど」 そう言って、死霊の逃げ出した方向を指差す。 「ここは、何とか退治しておきたいところですね。 ターンアンデットで死霊を束縛できないかしら?」 言い終わると死霊との距離をつめてターンアンデットを唱える。 |
GM |
マリンの放った三本の氷の礫だが、何の影響を与えることもなく、死霊の身体をすり抜けていき、背後の壁に当たって粉々に砕け散る。 魔術判定:分類/発動・マナフレイム(強化) アーシュラ:成功! 次いで、アーシュラが詠唱を終え、気力のこもった魔法を発動させる。 やや目標を逸れたが、炎の範囲内には死霊を収めることができたようだ。 魔力を元にして、物理的な作用を発揮させる多くの魔法……例えばアイスニードルとは異なり、マナフレイムは、魔力そのものを燃やすものである。 そして、魔法的な存在である死霊は、魔力による攻撃ならば受けてしまう。 > 17ダメージ! 炎が死霊の身体を包み込むと、耳をつんざくような悲鳴が通路を貫いていく。自然的な炎ではないから、火を恐れての悲鳴ではないだろう。純粋な、苦痛ゆえの叫びだ。 炎に、死霊のその身が焼かれていたその瞬間だけ、アーシュラの目にも彼の姿を見ることができた。 魔術具があれば、もう少しは存在力の高い魔術を行使できたかも知れないが。 炎は収まり、死霊の姿がまた、見えなくなる。 マリンは、この死霊がとうとう、逃げ去っていこうとするのを見た。 |
アーシュラ |
マリンに呼ばれて、小走りにマリンの脇まで戻ると、もといた場所前方3mくらいの所をマリンが指差している。 死霊がいるとのことだが良くわからない。 他に方法も思いつかないのでマリンがアイスニードルを打ち込んだ場所に、自分も強めのマナフレイムを打ち込んで見る。 |
マリン |
アーシュラ< 「アーシュラ!!こっちに戻って来て!」 アーシュラを必死に手招きする。 やって来たアーシュラに対して死霊のいる場所を指差す。 アーシュラ< 「私には死霊が見えるのだけど貴女はどう?見えないの? 貴女、あそこにマナフレイムを打って見て・・・私もアイスニードルを試して見るけど効果あるかしら?」 先ずは、アーシュラに先行して死霊を目掛けてアイスニードルを発動させた。 魔術判定:分類/発動・アイスニードル マリン:成功! |
GM |
マリンは、確かにその姿を目に捉えた。 アーシュラの前方3mほど。 下級の死霊だ。常人の目には見えず、こちらから触れることもできない。使徒としての修練を積み、高い信仰の力を持つマリンには、目に見ることも、攻撃を仕掛けることもできるはずだ。 また、はっきりとした意思を確立していない死霊なら、自然的な炎を恐れるはずだ。 死霊は、今は、ターンアンデッドの破邪の力によって引き起こされた激しい苦痛に縛られて、身動きができないらしい。 神術判定:分類/発動・ターンアンデッド マリン:成功! > 4ダメージ! マリンが解き放った破邪の力が、再び死霊を痛めつける。 しかし、大した強制力は発揮できなかった。 |
マリン |
後方からの叫び声を聞いて様々な考えがマリンの胸中をよぎる。 振り向いて対象を確認しようと思ったが、結局とった行動は前方へ、叫び声の主から離れる方向にダッシュすることだった。 やがて、こちらの方に向かってきたアーシュラとすれ違ったが、そこで初めて後方を振り向いて、再びターンアンデットを唱えた。 |
GM |
アーシュラが目をこらしても、何も見ることはできなかった。 ただ、おぞましい気配だけが周囲から強く感じられる。 |
アーシュラ |
後方からの叫び声を聞いて、 「ちっ、後ろか!!」 慌てて、振り返ると後方に素早く移動する。やがて、マリンとすれ違うとマリンの後方にいると思われるアンデットの姿を探索する。 |
GM |
神術判定:分類/発動・ターンアンデッド マリン:成功! > 2ダメージ! > 「苦痛」! マリンの祈りが力となり、彼女を中心に、周囲に白い波紋を広げていく。 刹那、恐怖に満ちた叫び声が響き渡る。 ――後ろから。 |
アーシュラ |
マリンから止まれと言われたのでその指示に従うことにする。 前方の注意を怠らずに続ける。 |
マリン |
アーシュラ< 「ちょっと、止まって! 思い出したことがあるの」 そう言うと、イリュージョンの集中を解いて、ターンアンデットを唱えた。 アーシュラのライトの範囲よりターンアンデットの範囲は3倍は広い。 何か、アンデットの反応が得られるかもしれない。 |
GM |
アーシュラは前方を警戒していたが、アンデッドらしき存在の確認はできなかった。(アーシュラがアンデッドの判別の技を身に付けているわけではないが、少なくともそれらしきものは見つけることができなかった) マリンは、イリュージョンの魔術に意識を差し伸べて、その組成を変更できないか試みようとする。 作動中の魔術に対して改変を加えることは高等技術であり、ことによると失敗して、魔法を行使し直さなくなるかも知れないが……その行動よりも速く、思い出したことがあった。 アンデッドの中には、光に頼らずに物の認識を行うものも多い。もちろん、人族と同様の方法、光で物事を見るものもいるのだが、そうでないアンデッドがいた場合、イリュージョンには惑わされないだろう……。 彼女たちは、ほんの数歩ばかり足を進めた。 アンデッドの気配は相変わらず強い。 |
アーシュラ |
前方にアンデッドがいるとのマリンの呟きを聞いて、アーシュラの緊張が高まる。 注意を前方に集中し、アンデッドらしき影の捕捉を試みる。 そして、イリュージョンの後に続いて、ゆっくりと通路を進む。 何時でも魔法の詠唱を開始できるように心の準備を始めた。 |
マリン |
前方にアンデットらしき気配を感じてマリンは大きくため息をついた。 「ふう・・・」 アーシュラ< 「前に・・何か・・・いるわ。 多分・・・アンデッド・・」 イリュージョンの集中をとぎらせないために声は小さい。 イリュージョンとパーティとの距離を取るために範囲拡大を試みつつ、ゆっくりと細い通路を進んでいく。 |
GM |
死体< どうやら、強烈な熱線か、あるいは電光に貫かれたのではないかと、アーシュラは判断した。 そのような効果を発揮する魔法に心当たりはなかったが、もっとランクの高い魔術師ならばこの程度のことができてもおかしくはない。 また、このような攻撃方法を持つ魔物についても、心当たりはなかった。 アーシュラたちは、足跡をできるだけ辿りながら、広間を進んでいく。 広間から突き出た細い通路に入るところで、足跡は消えている。足跡をつけた人間がいないというわけではなく、このあたりには土砂がつもっていないために、痕跡を辿ることが困難になったのである。 といって、今のところは困ったことはない。 通路は一本道のようだからだ。 通路にはいると、その空気が存在感を変じたようだった。 神に仕えるものとして、マリンはその特有の気配を感じ取ることができた。 忌まわしい呪いに束縛されたものの気配だ。 |
マリン |
前方のアーシュラが話す内容をじっと聞いている。 どうやら他殺体は魔法のようなもので攻撃されているとのことだが。 イリュージョン< 集中が途切れないように、アーシュラの後に続いてゆっくりと歩き始める。 |
アーシュラ |
マリン< 「ここに死体があるんだけどさぁ・・・。 あたしたち魔物退治を依頼されたんだよね。 これって、魔物にやられたのかな、それとも同士討ちなのかな」 死体< かがみこんで、死体の傷を見てみる。 「死体の傷を見るとマナアローかマナヴォルトのようにも見えるけど・・・」 努めて平静さを装っているが、声は少し上ずっている。何時もの自信の強さも感じられない。マリンに、それとなくやばい状況を伝えたつもりだが・・・ 「二人分の足跡が奥からここまで来ているから、足跡を辿っていくしかないね。 まっ、その先に何があるかは神のみぞ知る。」 そう言うと、意を決して足跡を辿っていくことにする。 マリン< 「ぢゃ、行くよ。」 |
GM |
死体の周辺< はっきりとした足跡を発見する。 この広間の奥の方から来て、こちらを通り過ぎ、アーシュラたちが来た方に向かっているようだ。 足跡は途中で霞み、紛れている。 部屋の土砂がなければ、この足跡も見つけられなかったのだろう。 足跡は二人分あった。 その一つの足跡の持ち主が、この死体なのだろう。 |
マリン |
前方でアーシュが何か発見したらしいがイリュージョンの集中のせいで何かが地面にあることしか意識がまわらない。 アーシュから待てと言われたので従うことにする。 イリュージョン< 集中が途切れないように、再びアーシュに軽く頷いてイリュージョンのための集中を続ける。 |
アーシュラ |
「うっ!! やばいよ。 わたしたちも変なことに巻き込まれたね」 死体< 気味悪そうに死体を見て仔細に検分する。 流石に触ることは出来ない。 マリン< 「あなたは、そこで待ってて」 死体の周辺< そう言うと、死体を中心とした周辺に何か別の痕跡が残っていないかどうか調べてみる。 |
GM |
魔法判定:分類/集中維持・イリュージョン +20% マリン:成功 足下< 今度も、先にそれを発見したのはアーシュラだった。 といって、それが難しいことだったという訳ではないが。 人間が倒れていた。 生死は確かめるまでもない。 背中の辺りに、周囲の焼けこげた、拳一つ分くらいの空洞がある。 |
マリン |
イリュージョン< 集中が途切れないようにアーシュラに軽く頷くと、イリュージョンの向きを左側に変えて再び歩き始める。 |
アーシュラ |
独り言< 「ふう..ん..。 誰かがここで発掘していたみたいだね」 マリン< 「そろそろ依頼主に会えるかもね」 そう言うと、左側に向きを変えて土の壁沿いに歩き始める。 依然として、足元周りに罠やその他の変わったものがないかどうか慎重に進む。 |
GM |
魔法判定:分類/集中維持・イリュージョン マリン:成功 極めて慎重に、右手の法則で壁沿いに進んでいく。 しばらくも行かないうちに、土砂によって道がふさがれてしまった。土砂はうずたかく積まれており、まっすぐ進むことはできそうにない。 土砂を壁だと見立てるなら、九十度、左側に転進して行くことは可能だろうが。 足下< 特に足下を警戒していたアーシュラは、それを発見する。 土が散らばり、砂利が退けられている。この部屋の大部分を埋め尽くしている土砂を掻き出そうとしたりした、努力の痕跡だだろう。 一見すると、ただ土砂が崩れたのだろうとしか思えないが、アーシュラは何となくそれを感じ取った。 また、掻き出した砂や土を踏みつけた足跡も見つけた。 最低でも三人の人間が、この活動を行っていたようだ。 |
アーシュラ |
マリンに言われるままに、イリュージョンに続いて、広間を右回りに歩き始める。 |
マリン |
アーシュラ< 「ここは右側の扉ですよね。 だったら、壁沿いに右回りで探索してみましょう」 イリュージョン< 右側を向かせて、壁沿いに歩き始めさせる。 自分のその後をついていく。 |
GM |
魔法判定:分類/集中維持・イリュージョン マリン:成功 会話や、歩きながらの集中の維持は、それなりに難しい。 マリンは、何とか魔法を保ちながら進んだ。 部屋< やはり、広間のようだ。 ライトの光だけでは、この部屋を照らしきることは出来ない。 今入ってきた扉の左右の壁も、果てなく続いている。 正面を見ても、この部屋の奥行きはどこまであるのかは分からない。 |
アーシュラ |
マリン< 「了解だよ。明かりを絶やさないようにライトの継続に気をつけているからね」 イリュージョンに続いて扉の向こうに踏み込んでいく。 |
マリン |
アーシュ< 「ふう・・・、イリュージョン成功しましたね。 明かりがないと消えちゃうから、アーシュのライトが継続するようにお願いします。 イリュージュンを先頭にして、次がアーシュ、最後にわたしが集中継続のために行きます」 そう言うと、イリュージョンを扉の中に歩みいれさせた。 |
マリン |
アーシュラ< 「開いたとなれば入りましょうよ。 わたしがイリュージョンで、私自身の幻影を作るわね。 暗いから良く目立つと思うけど・・」 マリンとそっくりの幻影を作るために、魔法イリージョンを唱えた。 魔法判定:分類/発動・イリュージョン マリン:成功! 詠唱はつつがなく行われ、マリンの幻像が紡ぎ出される。 注意しなければならないのは、この魔法は光を操作して、本来存在しない像を創り出すというところだ。 つまり、その元となる光が極端に弱い場所や、そもそも存在しない場所では、この幻は存在できないということになる。 |
アーシュラ |
マリン< 「扉、開いちゃったよ・・・」 緊張のせいか、顔にうっすらと汗がにじんでいる。 「当然、入るよね?」 |
GM |
アーシュラが扉を押すと、それは、重い音を立てながら開く。 その先には、広間があった。 天井が高く、奥行きもある所だ。扉の開く鈍い音が、深々と響いていく。 ライトの明かりだけでは足りず、どのような部屋なのかは判然としないが、空気の流れ方で、相当な広さなのではないかということは分かる。 足下には土砂が散らばっており、いつの頃にか、部屋のある程度の部分が崩落をしてしまっていることを示している。 |
マリン |
半分開いて欲しいような半分は開いて欲しくないような複雑な気分で、アーシュラが扉を開けようとするのを見ています。 |
アーシュラ |
「さてと、こうなったら、思い切って開けて見るしかないね」 |
GM |
扉< なるべく触れないようにしながら行える作業の範囲内では、罠や妙な仕掛けは発見されなかった。 |
アーシュラ |
マリカンリンに促されて、先ず扉に罠や危険がないか探索して見る。 と言っても、ちょっと触って見るくらいだが・・・ |
マリン |
出現した扉を見て思案げな表情を浮かべている。 アーシュラ< 「やっぱり、こちらにも扉がありましたね。 さて、こちらは開くでしょうか? アーシュラ、試して見て」 |
GM |
周辺< 特に怪しい気配などは感じられない。 本当に怪しいものがいないのか、いても、マリンが感じられなかったからかどうかは、定かではないが。 反対側の通路へと進んでいく。 例の横穴を通り過ぎ、さらに歩いていくと、ちょうど、先ほどの扉にぶつかったときと同じくらいの歩数で、また、扉にぶつかることになった。 |
マリン |
耳を澄まして、辺りの気配を窺いながら・・・ アーシュラ< 「扉を壊すのは最後の手段にしましょうね。 それより、通路の反対側に行って見ましょうよ。 何か、別の入り口があるかもしれません」 そう言うと、アーシュラの袖を引いて通路の反対側へと歩いて行く。 |
アーシュラ |
マリン< 「あ〜あ、だめだよ。開かないよ。 こうなったら、爆破しちゃおうかな」 |
GM |
扉< がん、がん、と、二人で扉を蹴り開けようとするものの、そうとう頑丈に固定されているのか、全く、開く様子がない。 音だけが、通路内に響き渡っていく。 |
マリン |
アーシュラ< 「えーっと・・・あまり目立つのは本意ではないのだけれど 一、二の三で一緒に扉を蹴飛ばしましょう!!」 扉< アーシュラとタイミングを合わせて、思いっきり蹴飛ばして見る。 |
アーシュラ |
マリン< 「あれーっ!開かないよ! 何かに引っかかっているのかな? どうする?」 |
GM |
扉< 扉は、しかし、開かなかった。 鍵が掛かっているというよりは、何かで引っかかっているような具合だ。 |
マリン |
マリン< 「ふうーっ・・・ とりあえず、普通の扉のようだね。 そんじゃ、開けるからね!」 |
GM |
扉< 見たところ普通に開閉する形の扉のようだ。 遺跡でも一般的に見られるものだ。 アーシュラは盾で、扉をつついた。 …… なにも起こらない。 |
アーシュラ |
「さてと・・・扉は扉だけど、 触ったら、いきなりそれがモンスターとかないでしょうね。 とりあえず、つんつん、してみるか」 マリン< 「マリン、ちょっと下がっていてね」 扉< どのように開閉するのか、その方法を観察する。そして、遠くから盾で、そっと、扉の表面をつついて見る。 |
マリン |
アーシュラ< 「大丈夫? いきなり、空けちゃだめよ! とにかく作戦で行きましょう! 扉の向こうに、どんなものがあるか分からないから・・・。 「扉そのものの安全を確認したら魔法の詠唱維持で、態勢を準備しましょう」 |
GM |
こつん、こつん、と足音が響いていく。 通路はひっそりとしていて、何の気配もない。 空気はじめじめとしていて、不意に、ぽたりと水滴が垂れ落ちてくる。 通路は一本道で、しばらく進んでいくと、扉にぶつかった。 |
マリン |
マリン< 「そうねえ・・・あたしだったら左ね」 そう言うと、通路の向かって左側の方向にゆっくりと歩き出す。 |
マリン |
アーシュ< 「う・・ん、右か左か、迷う所ですね。 アーシュ、貴女の好きな方で良いです」 |
マリン |
アーシュラに引き続き石壁の向こうに入っていく。 入ったとたんに、油断なく辺りを見回したが。 |
アーシュラ |
ライトの魔法で見える範囲の状況をつかもうとして、 目をこらして辺りを観察して見る。 |
GM |
周囲< 目の前を、左手から右手に通路が延びて行っている。 だいぶ古い時代に作られた地下通路のようだ。 二人が通ってきた穴とは明らかに様子が違う。 少なくとも、通路はライトの明かりが届かないくらいまでは続いているらしい。右手も、左手も、果てが分からない。 |
マリン |
アーシュラに引き続き石壁の向こうに入っていく。 入ったとたんに、油断なく辺りを見回したが。 |
アーシュラ |
ライトの魔法で見える範囲の状況をつかもうとして、 目をこらして辺りを観察して見る。 |